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子役の少女が怖すぎる!映画『エスター』のネタバレと評価!

更新日:

今回は超自然的なものが登場しない、サスペンス系ホラー映画『エスター』を取り上げていきます。

この作品はネタバレしてしまうと魅力が半減してしまうので、なるべく事前情報を頭に入れない状況での視聴をオススメします。

なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、あらかじめご了承ください。




 

あらすじ・作品情報

エスター

子どもを流産で亡くしたケイト(ヴェラ・ファーミガ)とジョン(ピーター・サースガード)は悪夢とトラウマに苦しみ、夫婦関係も限界を迎えていた。

以前の幸せな日々を取り戻そうとした彼らは養子を取ることに決め、地元の孤児院を訪問。

そこで出会ったエスター(イザベル・ファーマン)という少女を養女として迎え入れる。

引用元:Yahoo!映画

映画『エスター』は、ダーク・キャッスル・エンターテインメントが手掛けるホラー映画です。

ダーク・キャッスル・エンターテインメントとは、ホラー映画専門の製作会社で、世に多くのホラー映画を送り出しています。

そんな会社が手掛けるホラー映画は、視聴者を恐怖に落としつつも、画面から目を離させません。

なお、本映画はR-15指定されています。

 

とある勇者
パッケージからして、怖いオーラが出まくってるもんね・・・。
パッケージが醸し出す不気味さは、映画にもふんだんに反映されています。
はらちゃん

 

『エスター』の予告編

 

『エスター』の良かった点

記憶に残る鮮やかなどんでん返し

冒頭部で悪夢的な光景に改変された過去の話が出てきますが、『エスター』の良さは、特殊効果に彩られた血みどろのシーンではなく、どんでん返しの見事さと、それへと無理なく繋げる構成です。

養子として一家に迎えられたエスターの不気味さ、異様さをゆっくりと積み上げていき、あの事実へとスムーズに繋げるのは見事の一言!

 

とある勇者
視聴者に、次に何が来るのかと感じさせる演出と、待ち受けるどんでん返しに釘付け間違いなしだね!
さすがホラー映画専門の製作会社!
はらちゃん
とある勇者
視聴者が欲している意図を、見事に汲み取った映画だね!

 

丁寧に描くことによってうまれるリアリズム

養子を迎えることになった主人公一家は、順風満帆ではありません。

むしろ、その逆です。

母のケイトが死産による罪悪感に目を背けるために、養子を迎えるという流れです。

元音楽講師であり、自分で作曲も手がけるケイトは仕事への情熱と同様、子供たちも溺愛しており、その愛情の深さゆえ死産で失った三人目の子供に罪悪感を覚え、それが原因でアルコール中毒になっています。

物語の開始時も禁酒の誓いをたて、カウンセリングに通う、決して万全とはいえない精神状態です。

 

夫のジョンも浮気歴があり、一旦険悪になると、それぞれの弱みをなじる始末。

アメリカが抱える問題を劇中で取り扱っています。

長男ダニエルはお年頃になりつつあり、男友達とつるむことによって身内にきつく当たってしまう心境も描いています。

 

とある勇者
登場人物それぞれのキャラ設定の細かさ、心境もうまく表現されているね!
一家問題を抱えつつも成長してく男子の成長も、丁寧に演出しています。
はらちゃん

 

怒濤のラスト40分、そしてあの形相

ネタバレは最後に記載しますが、ラスト40分ごろから怒濤の展開があり、そして一家に襲いかかるアレの形相たるや、凄まじいものがあります。

熱演を飛び越えた怪演という印象。

 

一家を守ろうとする母親ケイトの様子も鬼気迫るものがあり、見事などんでん返し以外にも見どころがあります。

超常的な力に頼らなくても、緊迫感と恐怖を感じさせるのは、脚本、演出、そして演者の力です。

視聴者は母親ケイトに感情移入し、目が離せぬ展開にドキドキすることでしょう。

 

まるで天使のようなかわいさらしさのマックス

耳が不自由な娘のマックスは、演じる役どころもあって、西洋画家が描く天使が子供の姿をとったようなかわいらしさ。

特にくりくりした髪の毛は日本人の子供にはない、独特のかわいさをもっています。

 

性格素直すぎるマックスが、いいように振り回され、最終盤に魔の手が迫るシーンはあまりにも不憫で見ていられない視聴者が出てくるのではないでしょうか?

それくらい邪気のない存在として描かれています。

 

メイクの力ってすごい

三十路の女性と九歳児を演じ分ける俳優の技術もさることながら、驚嘆すべきはそのメイク術!!

光の当て方などの演出もあるのでしょうが、「劇的ビフォーアフター」もびっくりの変わりようです。

 

子供メイクをぬぐい取り、本性をあらわした時の怒りと絶望をコトコト一週間煮こんだ後のごとく、鬼気迫る表情には背筋がゾクゾクします。

それと対照的に、まだ媚び媚びモードだった序盤の笑顔は無邪気さすら感じます。

 

他にメイクで印象的だったのが、エスターが精一杯の誘惑モードになった時のゴテゴテメイク。

故意にメイクをやりすぎたのかわかりませんが、何かおばあちゃんみたくなってしまいました。笑

とりあえず塗りたくって、派手にすればいいわけじゃないんですね・・・。

 

父親のジョンを誘惑しようとしているのですが、特に男性陣は身内に派手派手メイクをされるのを好まない節があるので、エスターの誘惑メイク(?)は功を奏しませんでした。

いくら酔っぱらっているとはいえ、ジョンはまともなセンスの持ち主であることが判明した一幕です。

 

とある勇者
今まで普通の容姿だった人が豹変するのは、ホラー映画の醍醐味でもあるね!
恐怖とぞくぞくが一気に来るシーンだね。
はらちゃん

 

『エスター』のイマイチな点

罪悪感から逃れるための養子なんてありなの?

アメリカの里親制度はよくわかりませんが、罪悪感から逃れるために養子をもらうなんて可能なのでしょうか?

確かに母親ケイトはアルコール中毒から立ち直って一年たつようですし、カウンセリングにも通い、精神を落ち着かせるための服薬もしているようです。

とはいえ、死産時の悪夢にうなされ、ちょっとしたきっかけで精神が不安定にある状態の母親がいるところへ、そんな簡単に養子がいくのでしょうか?

 

父親であるジョンと母親の絆も決して安定しているとはいえず、お互いを求め愛し合おうとする割には、信頼しきっていません。

きっかけがあれば亀裂が入り、冷えきった水中へと人をのみこむ凍った湖の上に二人立っているような危うさがあります。

養子を迎えることによって、事態を好転させようと考えたのでしょうが、私の目にはどうにも無責任なように見えます・・・。

 

とある勇者
ちょっと無理な設定ではあったかな~。
映画のシナリオと割り切ってしまえばそれまでだけど、もう少しリアリティがあってもよかったかな。
はらちゃん
とある勇者
そうだね。そもそもホラー映画はリアリティがあるものではないんだけどね・・・。笑

 

父親のジョンが残念すぎる

災厄を招き入れるきっかけとなり、いくら妻にアルコール中毒などの瑕疵があったにせよ信用せず、そのくせ欲情スイッチは入りやすく、家族を守ると豪語している割には酒をあおって落ちこむだけの父親ジョンが残念すぎます。

確かにジョンが観察眼にすぐれ、本質を見抜く力があれば物語が成り立たないとはいえ、大きな邸宅を構える仕事ぶりを考えると、不自然なぐらいに無能・・・。

 

とある勇者
制作者には、この設定にどんな意図があったんだろう?
男性がもつ意外なほどの精神的もろさと、家族が危機に陥った時の母親の強さを対比したかったのかな?
はらちゃん

 

真夏向け(?)の寒々しい景色

物語の舞台には雪景色が広がり、家の周囲に凍った池もあります。

北国にすんでいる筆者にとってはお腹一杯の景色で、真夏ならともかく、冬に観ると気が滅入ります。

 

北部の天候がおりなす冷たい世界でもおなか一杯ですのに、交通事故寸前のシーンもあり、凍結路面でリアルな恐怖体験をしている身としては「もう見てられない」状態に・・・。

しかも、いくら危急の時とはいえ、母親ケイトが「薬物がまだ体に入った状態」で「電話しながら」「雪が降って危険な道路」の中、車を飛ばすので「危険運転の大三元かな?」とツッコミたくなります。

 

エスターの失恋必要あった?

特殊なホルモン分泌の障害と、サイコパス気質をあわせもつエスター。

人を人と思わぬ冷酷さで数々の命を奪ってきました。

見た目も独特ながら、その精神構造は常人とかけはなれています。

 

そんなエスターですが、自分が気に行った男性への失恋はこたえるようで、素の状態で嘆き、暴れています。

過去の家庭でも、誘惑失敗→失恋→一家惨殺→証拠焼却(火事)という流れをたどっており、凶行の引き金として失恋が存在しています。

 

彼女は弁護しようがないほどのサイコパス気質で、本質的な同情や憐れみ、弱い者をかわいがる心を持ち合わせておらず、一言で表現すると「良心がない」キャラクターですが、失恋で追う心の痛手は本物のようです。

自分の特殊な体質を利用し、利己的に非道にふるまってきた彼女ですが、「欲求はあるものの、永遠に大人の女として相手にされることがない」状況への絶望と憤りがエスターを苦しめていた気配はあります。

 

一家の財産を狙ったり、命を狙うだけなら養父への誘惑はいりません。

かえってリスキーな行動と思われます。

計算づくのエスターが、それでも誘惑を繰り返すのは「大人の女として愛されたい根源的な欲求」があるからではないでしょうか?

精神分析のフロイト先生が生きていたら間違いなく「それリビドー!間違いなくリビドー!」とエスター鑑賞中に叫んでいたことでしょう。

 

非常に解決が難しい「大人の女として愛されたい根源的な欲求」に苦しめられてきたその身を考えると、あの冷酷非情なエスターに対して同情心が沸いてしまいます。

養母のケイトをやたら敵対視するのも、その欲求があればこそ。

「こいつに成り代わって、あの人の愛を一身に受けたい」なんて思わなければ、わざわざ養母を追い出す算段を立てる必要がありません。

 

エスターの失恋があることによって、圧倒的な悪魔感が薄れ、人によっては彼女にいくらか同情してしまうのではないでしょうか?

徹底的な悪の権化として描いた方がすっきりしたのではなかろうかと・・・。

もちろん「大人の女として愛されたい根源的な欲求」に苦しむエスターVS「子供を失い人間的な罪悪感」に苦しむケイトという構造も価値あるテーマだとは思いますが・・・。

 

『エスター』はこんな人にオススメ

映画『エスター』は下記のような方々にオススメしたい映画です!

こんな方におすすめ

  • 精神にじわじわくるリアル寄りのホラー映画が好きな人
  • ミステリのような謎解き要素が好きな人
  • ホラーは好きだけどグロ描写が苦手な人
  • 鮮やかな展開が好きな人
  • 子供が好きな人

 

『エスター』の口コミ

ホラー要素もあり、サイコ要素もありで、ホラー映画ファンの方は非常に楽しめる映画ですね!
はらちゃん

 

やはりエスターのラストに衝撃を受けたというレビューが多いですね!
はらちゃん

 

エスター役のイザベル・ファーマンを賞賛している方も多いですね!既にイメージが付いているからかもしれませんが、イザベル・ファーマン以外が演じるのを想像できませんね。
はらちゃん



 

『エスター』を視聴できるVOD

『エスター』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『エスター』のまとめ

映画『エスター』についてネタバレ、評価を書いてきました。

サスペンス寄りのホラー映画である『エスター』は鮮やかなどんでん返しが魅力的な作品。

伏線の回収も見事ながら、精神的にじわじわくる演出もしっかりしており、中盤以降の展開は早いので二時間という長さも気にならない作品です。

特にラスト40分はとてもスリリング!

奮闘する子役のかわいらしさを楽しめる作品でもあります。

総合評価

4.5点 / 5.0点

最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

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著書名:オブザデッドレビュー34発
電子書籍サービス:Kindle
紹介文:林立するゾンビ映画をひたすらレビュー!『○○オブザデッド』が多すぎて困っているホラー映画好きのあなたに送る一冊です。

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