今回は映画『WE ARE YOUR FRIENDS(ウィー・アー・ユア・フレンズ)』のレビューを行います。
作品紹介では若者がEDM音楽に捧げる青春物語のような印象を受けました。
お恥ずかしながらこの映画の説明欄を見るまでEDMという単語を知らなかったのですが、EDMとは「エレクトロニック・ダンス・ミュージック」を指し、クラブなんかで流れるいわゆるパリピな音楽のことらしいです。
この映画はそんなEDMに情熱を捧げる若者DJの青春物語です。
それでは私も少し若返った気分になって映画のレビューをしてみたいと思います。
あらすじ・作品情報
EDMシーンのスターとなり、地元を出て富や名声を得たいという夢を抱いてクラブへと通う、DJのコール(ザック・エフロン)と仲間たち。
ある日、コールはカリスマDJのジェームズ(ウェス・ベントリー)と出会い、彼に熱意と才能を認められてDJの指導を受けるようになる。
夢に近づこうと励むコールだが、それが原因で仲間たちと距離が生まれ、さらにジェームズの恋人ソフィー(エミリー・ラタコウスキー)に恋をしたことから彼との関係にも変化が。
そんな中、大規模なフェスへ出演するチャンスが飛び込む。
引用元:Yahoo!映画
マックス・ジョセフ監督がメガホンを取った作品です。
CMやMVを手掛けていましたが、本作で長編監督デビューを遂げました。
また、本作品はPG12指定となっています。
『WE ARE YOUR FRIENDS』の予告編
『WE ARE YOUR FRIENDS』の良かったところ
独特の映像が織りなす世界観
この映画は中盤までは、かなり独特な映像センスが光っています。
冒頭から彼らが住む世界観をわかりやすくするための説明シーンや、音楽におけるBPM(一分間における拍数、テンポ)の解説のシーンなど、アニメーションや字幕テロップをふんだんに使い、まるで何か違うバラエティ番組を見ているかのような編集をところどころに挟んできます。
極め付けは、ドラッグで主人公コールがラリってしまうシーン。
コールの周りにいる人達や自分自身の体でさえも、彼の目には異世界のものとして映り、それが自分の感覚をおかしくしてしまうようなトリップシーンが絶妙なアニメーションで表現されています。
こういう映像表現はあまり見たことがなかったので、とても新鮮でした。
あとこれは後に供述することになるのですが、この映画は途中までは実験的な映像が多く、全体的に映画のノリもハイテンションなのです。
しかし、中盤以降はそれまでのエネルギッシュな映像がパタンと終わってしまい、急にシリアスな展開になります。
主人公コールを演じたザック・エフロン
この映画の主人公はザック・エフロン演じるコール。
彼はDJとして成功することを夢見ながら、毎日の生活にくすぶっている若者です。
コールはDJとして成功したいという思いもありながら、目先の金や女やドラッグに惑わされてしまったりします。
また自分の音楽や人間性に自信がないのか、常にどこかはにかんだような釈然としない表情をしています。
若者ならではのお調子者感と自分の夢への期待と不安・・・。
複雑な若者ならではの表情をザック・エフロンは見事に演じています。
ハッキリしない表情を常にしているコールですが、DJとなった時の顔はまさに別人のようになります。
ヒロインが飛び抜けて可愛い!
この映画でヒロインを務めたエミリー・ラタコウスキーの魅力が尋常ではないです。
彼女が演じるソフィーは大物DJであるジェームズの助手兼彼女として登場しますが、冴えない若者であるコールにとっては高嶺の花です。
そんな手の届かない存在であるソフィーは、エミリー・ラタコウスキー自身の魅力によって、彼女の設定以上にずば抜けて輝いて見えます。
リアリティのある音楽製作描写
この映画では主人公がDJとして活躍しているだけあって、その音楽製作描写が独特で面白いです。
BPMを心臓のリズムに近づけ、オーディエンスの心を掴み、徐々にBPMを上げて観客を盛りあげていく方法や、EDMに電子音だけでなく実際の生活音を取り入れるアイデアが興味深くて勉強になりました。
コインを転がす音やジッパーをあげる音など、音楽に携わっている人ならではの視点で日々の生活音を録音して使用するという考え方は、まさに職人のようで面白かったです。
若者ならではの葛藤劇
この映画の主人公はコールですが、常に他の3人の若者と行動しています。
彼ら4人は一緒に騒ぎ、金儲けの話があれば飛びつき、いい女がいれば食いつき・・・。
と、若者ならではの痛々しいほどの青さを見せてくれます。
そんな彼らでも、単に毎日バカ騒ぎしているわけではなく、現状を抜け出そうと必死にあの手この手で試行錯誤する姿がリアリティがあり良かったです。
物語は中盤で、友人の1人が死んでしまうことでガラリと雰囲気が変わります。
それをきっかけにあれほど仲が良かったメンバーも仲違いするようになり、それぞれが別々の道を歩み始めます。
そして、コールは破れかぶれになりながらも、やはりDJをやりたいと自分の真意を確信し、サマーフェスで大成功を収めるのです。
こうした若者ならではの失敗と葛藤、人生への焦りが観ている私達の共感を生みます。
若さっていいなぁ、また若い頃に戻りたいなぁとつい思ってしまう若者のエネルギーが眩しいですね。
余談ですが、パーティで彼らがプールに飛び込むシーンがあります。
彼らはいちいちアクロバティックに飛び込んでくれますが、その姿を見た私は「さすが若者!」と彼らの身体能力に驚き、巻き戻して二回観てしまいました。笑
エンディングでも色んなアクロバットをしていますが、彼らの溢れんばかりのエネルギーがその動きでうまく描写されています。
『WE ARE YOUR FRIENDS』の惜しいところ
表現方法は特殊でも内容はありがちかも
この映画は、独特の映像表現やEDMを製作するDJという観点ではオリジナリティがありますが、根幹にあるストーリーや展開はあまりにありがちです。
パリピに見える若者も人生に対する不安や焦りがあり、可愛い女の子に出会って仲間と決別しながらも夢に進んでいく・・・。
こういう若者映画は何十年も前からすごくありふれていて、この映画も全くその例から漏れていないストーリー展開だったので、その点は少し残念でした。
ただ、DJ描写が面白いのとコールの人間味あふれる成長過程、そして何と言ってもソフィーの飛び抜けた可愛さであっという間に終わってしまうテンポの良い映画です。
『WE ARE YOUR FRIENDS』はこんな人にオススメ
『WE ARE YOUR FRIENDS』は下記のような人にオススメできる映画です!
こんな方にオススメ
- EDMに興味がある人
- 自分だって色々考えているんだと嘆くパリピの人
- 青春映画が好きな人
- 派手な音楽が好きな人
- 若返った気分を味わいたい人
- とびきり可愛くてセクシーな女の子を見たい人
- 独特の映像センスを楽しみたい人
根幹にあるストーリーは若者の青春映画ですが、それを色付けるスパイスが独特の映像センスとパリピな音楽でありセクシーな女の子なのです。
この映画のテイストに合う人はクセになる程好きになれるでしょう。
『WE ARE YOUR FRIENDS』の口コミ
エミリー・ラタコウスキー の魅力が相変わらず凄まじい。
ゴーン・ガールでベンアフの愛人役やってた子。#WEAREYOURFRIENDS #ウィー・アー・ユア・フレンズ pic.twitter.com/KXyyqu70Fz— 🎬 (@hryksmz) 2016年7月15日
#ウィー・アー・ユア・フレンズ を観た。ラストがなー、ありがち。理想は、なんだかんだうまくいかなかったけど、何かに気が付き成長する、ってしてほしかった。 pic.twitter.com/0yZfkQwpdW
— ぱんこのはら (@sptm1500) 2016年7月24日
#ウィー・アー・ユア・フレンズ はよかった。でもなんか違うわ。EDM好きだけど、好きだから尚更。逆にEDMとか知らないって人には楽しめるのかもね。
— Kzふにゅ (@KazH_funyu) 2016年6月29日
『WE ARE YOUR FRIENDS』を視聴できるVOD
『WE ARE YOUR FRIENDS』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。
オススメVOD
- Amazonプライム・ビデオ
- U-NEXT
Amazonプライム・ビデオ
Amazonプライム・ビデオは月額400円と非常に安価で、多くの映画やドラマ、アニメなどを視聴することができます。
※2019年2月時点の情報です。
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『WE ARE YOUR FRIENDS』のまとめ
映画『WE ARE YOUR FRIENDS(ウィー・アー・ユア・フレンズ)』についてご紹介しました。
この映画を観終わってまず思ったことは、とにかくエミリー・ラタコウスキーが魅力的だったということです。
主人公コールが自分の現状では絶対に手が届かなかったであろう高嶺の存在が、観ている私も十分納得できるほどすごく遠くで光輝いているように見えました。
将来への不安や自分がうまくいかないことへの苛立ち、それでも何かやり遂げたいというガムシャラな思い・・・。
それら全ての若者要素が見ていて痛々しいほど清々しく、自分も少し若返ったような気分になれました。
ラストでコールがサマーフェスの前座を無事終え、達観した表情を見た時、何か情熱を注げるものが欲しいなと純粋に思える作品です。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。