シャーク+トルネードによるリアリティ無視の無茶苦茶な災害を描いたのが、シャークネードシリーズです。
本作はその二作目にあたります。
前作は男子小学生のノリで作られていましたが、今作は真面目な作品になっているのでしょうか?
続編が作られたということは、男子小学生のノリが支持されたのでしょうか?
それでは、レビューを行っていきます。
あらすじ・作品情報
シャークネードの猛威に襲われたロサンゼルスは、フィンとエイプリルの活躍によって平和を取り戻していた。
有名人となった2人は、フィンの家族と会うためにニューヨークへと旅立つ。
しかし、彼らが乗り込んだ航空便に、突如乱気流が襲い掛かる。
突風と共に機体にぶち当たった物体は、獰猛なサメであった…。
引用元:Amazon
2014年に公開された映画です。
シャークネードシリーズの第二作目となる作品です。
『シャークネード カテゴリー2』の予告編
『シャークネード カテゴリー2』の良かったところ
前作キャラ再登場と元妻エイプリルの聖人化
タイトルにもなっているシャークネード(サメ+トルネード)はもちろん続投ですが、前作主人公フィンと元妻エイプリルも続投です。
ロサンジェルスに住んでいる彼らがニューヨークを訪れる際に利用した飛行機が、シャークネードに巻きこまれるという波乱の幕開けで物語は始まります。
主人公フィンにとって前作のシャークネードがトラウマになっているような、リアリティを演出するシーンもあります。
真面目にリアリティを演出したのも束の間、旅客機が飛行する高度までトルネードに巻き上げられたサメがアタックをかけ、丈夫なはずの機体をどんどん噛み裂いていきます。
この襲撃で元妻エイプリルは片手を食われるのですが、前作にあったヒステリックさは影をひそめ、自分も負傷しているのに元夫や他の入院患者を気づかう聖人と化しています。
より大がかりに!様々な場所でのパニックシーン
前回でもエキストラを動員したパニックシーンがありましたが、ビーチ、市街地と舞台はそれほど多くありませんでした。
今回は飛行機、市街、フェリー、スタジアム、地下鉄、ビル内と様々な場所でサメの襲撃があり、金属すら砕いてやってきます。
導入部の飛行機では、主人公フィンのシャークネードに関するトラウマを利用し、「幻覚かも?」と見せかけておいてから墜落寸前までサメに追いこまれます。
フェリーのシーンでは、自由の女神像がある近辺をうようよサメが泳いでいる異様さが描かれ、スタジアムのシーンでは大量のエキストラを使い人々が逃げ回る姿をとらえ、メジャーリーグの試合もきちんと描いています。
土台を失った観覧車が転がりながらビルに激突するシーンが前回ありましたが、今回は胴体を失った自由の女神の頭部がすごい勢いで転がってきます。
どうやらシャークネードはランドマーク的な建造物を破壊したがる癖をもっているようです。
ローリング女神の頭がプチプチ人をつぶしていくシーンは、シュールさと残酷さと迫力が同居する不思議な箇所です。
トレードマークになりつつあるチェーンソー
ホラー映画のモンスター側では『悪魔のいけにえ』のレザーフェイス、主人公側では『死霊のはらわた』のアッシュがチェーンソー使いとして有名です。
これに『シャークネード』のフィンが参戦するかのように、メイン武器がチェーンソーになっています。
今回はフィンのチェーンソーばかりではなく、元妻エイプリルも失った手のかわりに丸ノコをつけるという、チェーンソー界の夫唱婦随が見られます。
チェーンソー好きの視聴者に届ける、今世紀最高のチェーンソー愛に満ちたカップルなのです。
ひたすらサメバトル
「トルネードに巻き上げられたから、どこにでもサメが出るよ。そう、シャークネードではね」という、よくわからないCMみたいなノリで、サメは神出鬼没。
どこにでも顔を出し、人を襲います。
既に今作では天気予報にサメのマークが用意されていて、お天気担当のキャスターも日常茶飯事みたいな雰囲気で、サメ入りの天気図で解説します。
今回は主人公フィンによる空中サメバトル、ニューヨーク市民との合同サメ迎撃作戦も用意されています。
お天気担当のキャスターも、カメラの前で降ってきたサメをグサグサやります。
食べ放題にも似たサメ放題が展開し、いたるところでサメとのバトルが繰り広げられるのです。
前回よりサメの質感が向上しているのもいいですね。
『シャークネード2』のイマイチなところ
やっぱり健在家族補正
前回は家族以外ほぼ全滅でした。
今回も家族親類以外には容赦なく死が訪れます。
その代表格は昔からの知り合いであるスカイ。
以前から主人公のフィンに気があり、離婚したときいてアタックをかけるのですが、彼女の純愛が実を結ぶことはありません。
献身的な姿勢でフィンの作戦を手伝うも、家族補正がないため爆発時にあえなく死亡します。
フィンは傷一つないのに、スカイはそれ以降存在を言及されることもなくあわれの一言。
その他、友人知人、親切なタクシードライバーはいくらキャラがたっていてもアウト。
どんどんサメの餌食になっていきます。
対して親類縁者は無条件で生き残ります。
アメリカ人の家族第一主義ここに極まれりです。
警察は?州軍は?まさかのフィン頼み
制作陣は公共機関に恨みでもあるのでしょうか?
治安維持や災害対策のため訓練を受けている警察や州軍ではなく、市長はシャークネード経験者ということでフィンに助力を依頼します。
並行して警察や消防、州軍を動員することもなく、民間人に大都市の運命を託します。
まぁ、男子小学生の発想で続いている作品なので、ここでリアリティを持ち出すのも野暮ってもんでしょうけど。
頼みの綱と化したフィンは、科学的にかなりインチキくさい作戦とチェーンソー、そして主人公補正をもって戦います。
真面目に政治や社会のことを考えるのをやめて、「サメみたいな形の雲を発見したから三日ぐらいしあわせ」的な小学生の心持ちで市長しましょう、じゃなくて視聴しましょう。笑
悪ノリが更に進化(悪化?)
主人公は爆発に巻きこまれたくせに無事であるばかりか、ふっとばされた後の落下中に、チェーンソーでサメと空中戦を繰り広げます。
ええ、前作より悪ノリが進化してます。
とはいえ、元妻エイプリルの手を丸ノコに改造しておいて、大して使わないという詰めの甘いところがあり、せっかくの仕掛けを無駄にしている箇所もあります。
最初にエイプリルを襲ったサメから銃と指輪を回収し、フィンが再プロポーズを行うシーンで、ロマンティック1:悪ノリ9の割合で配合したシャークネード特製お好み焼きの完成。
リアリティ重視体質の視聴者はアレルギーでおなかを壊す一枚がそこにあります。
もちろんお好み焼きの表面にはハートマークとサメマークがマヨネーズで描かれています。笑
『シャークネード カテゴリー2』はこんな方にオススメ
『シャークネード カテゴリー2』は下記のような方にオススメできる映画です!
こんな方にオススメ
- シャークネードシリーズが好きな方
- 童心にかえりたい方
- チェーンソーが好きな方
- えげつない主人公、家族補正を確認したい方
- テンションあげたい方
『シャークネード カテゴリー2』を視聴できるVOD
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『シャークネード カテゴリー2』のまとめ
映画『シャークネード カテゴリー2』について、ご紹介しました。
男子小学生の発想を、そのままサメのパニック映画にしたような作品が本作です。
今度は男子中学生レベルの発想になるかと思いきや、むしろ低年齢化が進んだような印象です。
この悪ノリを楽しめる人とリアリティを重視する人では、かなり評価が異なる作品になるでしょう。
前作よりスケールが大きくなっているので、パニック映画としての質は向上していますね。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事の著者の執筆作品
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