絶滅寸前の異星人が自分の種を存続させるため地球にやってくる、SF要素のあるコメディホラーが本作です。
人類利用の手先としてウサギが選ばれ、かわいらしい見た目に反した凶悪さとグロテスクさで人を襲っていきます。
田舎町を襲った惨劇に対し、住人たちはどうやって抵抗していくのでしょうか?
あらすじ・作品情報
夏祭りで盛り上がっているイギリスののどかなデディントン村。
そこに人知れず飛来したUFO。
乗り組んでいたのは、人口減に悩む異星人が、人類の若い女性と交わり新たな遺伝子を持ち帰るべくやってきた“種付け部隊"。
だが、人間と接触すべく地上に降り立ったものの、地球上の生物の知識を全く持ち合わせてなかった彼らは、何の因果か、とてもかわいらしい野ウサギたちと合体してしまう。
そして夏祭りに浮かれる若いカップルたちを見境なしに襲い始める。
誰もが、かわいいうさちゃんの前では無防備だった。
女たちは受胎させるために拉致、邪魔な男たちはその場で殺された。
拉致された女は一か所に監禁され、受精行為が行われ、やがて野ウサギエイリアンのベイビー第一号が生まれ落ちる……。
一方、「狂暴化したウサギが人間を襲っている」との目撃情報が寄せられるも、地元警察は一向に信じない。
かろうじてウサギの攻撃を逃れ、事態の真相を察した一部の男たちが、人類の女性を救うべく立ち上がる。
そんななか、最高潮に達した祭りのパーティー会場に、野ウサギの大群が牙と触手を剥き、襲いかかる!
引用元:Amazon
2017年に公開された映画です。
なお、本作品はR15指定となっていますので、ご注意ください。
『キュート・リトル・バニーズ』の予告編
『キュート・リトル・バニーズ』の良かったところ
なにげに壮大?異星人の存続をかけた作戦
構図は限られているものの、宇宙船と異星人の描写はがんばっている印象です。
は虫類のような雰囲気をもつこの異星人、コメディ要素が強いだけあっては虫類独特の冷たい感じがなく、ひたすらダメ上司とダメ部下の間で無駄口を叩いております。
種の存続をかけた作戦のはずなのに、緊張感がまるでないです。
コメディホラーは緊張感よりもゆるさが歓迎されるので、演出としては間違ってないと思います。
異星人たちは直接地球上に降下したりせず、ロボットや機械の操作をもって人間を繁殖の器として利用しようと企みます。
そして、コントロールする現地の生物としてウサギが選ばれ、変異ウサギと人類の代理戦争(?)が発生します。
尿ふって地固まる?主人公メルの帰還と和解
両親の問題で故郷を捨てたメルが、祭りの準備をしている村に帰還するところから物語は始まります。
異星人の生存作戦もさることながら、主人公メルの物語もきっちり描かれており、話が散らかりがちなB級映画のストーリーを支える背骨となっています。
故郷を去る際に別れたローズには既に婚約者ができていたものの、恋愛映画のような略奪愛であっさりローズと結ばれ、以降は村の危機とローズを救うためメルは行動するようになります。
佳境にさしかかるとメルの両親に関する秘密が明かされ、血のつながらない息子のことを一途に心配し、不器用なりに愛してきた父親の愛が、下ネタが多いこのコメディホラーを感動的なものに仕立てます。
その後、変異ウサギにダメージを与えるため、瀕死の父親は自爆を選ぶというオマケつきです。
ここのパートだけみれば、コメディ要素よりヒューマンドラマ要素の方がずっと濃いのです。
全体的に尿まみれである事実は変わらないんですけども・・・。
変異ウサギ部隊を撃退し、とらわれていた女性たちを救出した後は、嫌味たっぷりのキャラであったチャールズともメルは和解し、ホラーらしからぬハッピーエンド。
「雨ふって地固まる」という言葉が日本にはありますが、「尿ふって地固まる」といったところでしょうか。
アンモニア臭ただよう言葉ではありますが。笑
変異ウサギの攻撃力
かわいらしい見た目かつ無害な草食動物であるウサギが異星人の技術によって変異し、人間を襲うのがこの作品の売りです。
ウサギのかわいさとグロさのギャップがあればあるほどホラー映画としての質が高まるため、かわいい外見のウサギを描画できるかが重要。
その点、本作は毛のふわふわ感や真っ黒い目、ウサギ独特のぴょこぴょこした動きがCGでしっかり表現されています。
アイデア勝負の低予算映画であることを考えたら及第点の出来だと思います。
そのかわいらしい見た目に気を許した人々を襲う際、変異ウサギの口が醜悪な花びらのようにばっくり裂けて、中から触手のようなものが飛び出します。
この触手、ただ人に巻きつくだけではなく切れ味も抜群で、村人の手足をすぱすぱ切断していきます。
ダメ人間祭り同時開催中
緑あふれる田舎町では、年に一度の祭りが開催されています。
数日かけて準備し、外部から歌手を呼ぶほど気合いの入ったお祭りです。
その祭りに負けじ劣らじと、ダメ人間祭りも同時開催されています。
祭りのことばかり考えてやる気のない警察の面々。
たまにやる気のある警察官がいると思ったら、自分の尿を集めているため(飲尿療法?)ひたすらそのことをいじられています。
やる気のあるもう一人の婦警も、別方面にノリノリで本職に集中しているとは言い難いです。
この人たちに治安維持を任せている村人たちがふびんで仕方ないです。
ゲストに呼んだ歌手のロックスオフもゲスなエロ親父で、特に活躍することもなく複数の変異ウサギに囲まれ物語から退場します。
ほかにも怪しい占い師や、一攫千金を夢見る無職軍団など、まともな人間の方が貴重という有様。
主人公メルとローズのラブストーリーの引き立て役としては、ダメ人間を配置する方が向いているので、そこまでマイナスではなかったりします。
すぐ脱ぐほら脱ぐ。祭りで積極的になる女性たち
年に一度の祭りということで浮かれているせいか、女性たちが気前よく上半身をさらしてくれます。
イチャイチャモードになった女子がすぐ脱いでくれる上に、いろんなサイズのものが拝見できます。
おっぱい大好き人間であればこの作品を視聴すれば寿命が五秒ぐらいのびそうです。笑
脱衣シーンだけではなく、女性が納屋で拘束されている場面でもずらりと並んだおっぱいが見られます。
今度は拘束されているということもあり、さらにアダルトな雰囲気。
『キュート・リトル・バニーズ』のイマイチなところ
とにかく下品
尿が変異ウサギ相手の武器となる時点で、どのような展開が待ち受けるのか予想できますね。
ええ、後半は尿まみれです。
水鉄砲に尿をいれて撃つ、尿いりペットボトルを爆弾風に利用するほか、おしっこ攻撃(ライブバージョン)もあるので、村の祭りおよびダメ人間祭りに加え尿祭りのトリプルフェスティバルになります。
トリプルフェスティバルの会場となった村人たちの性格や台詞も下品で、ゲストとして招かれた歌手も下品。
変異ウサギを作成した異星人も下品という、上流階級の令嬢だったら視聴時に卒倒しかねない徹底した下品さです。
下ネタ全開ワールドなゆえに、尻に変異ウサギがささっていても、ノリノリ婦警が本人の趣味であろうボンデージ姿を披露しても感覚が麻痺しているので、もはや下品には感じられない弱点もあります。
下ネタにあまり関わらない主人公メルとヒロインローズだけ、ミントタブレットがごとき爽やかさを放っています。
まぁ、焼け石に水なんですけどね!
アクションシーンのごまかしが多い
CG描画の限界なのか、単に面倒くさかっただけなのか、アクションシーンにかなりのごまかしが入っています。
人間側の攻撃シーンは、射撃や打撃のカットと、変異ウサギ破壊のカットが別々に分かれています。
別々のカットでも、つなぎあわせれば人間側の攻撃が決まったのだと通じるのですが、手抜き感は否めません。
いくらコメディホラーでも、「迫力のある戦闘シーンを撮る!」という気概は欲しかったです。
人間側の攻撃も変異ウサギの攻撃もパターン化されているので、飽きも早いです。
異星人の粗雑な計画
宇宙船やウサギを変異させる技術から、高度な文明をもっていると思われる異星人ですが、計画は粗雑で、行き当たりばったりです。
納屋を人間側に包囲された時も、慌てて変異ウサギを納屋の防御に回してましたが、まともに戦闘訓練をしているのであれば、相手の包囲をさらに包囲する形で変異ウサギを配置し、納屋に人間側が仕掛けるタイミングで背後から襲えば一気に壊滅できるチャンスがあるのに気づくはず。
だいたいあのくらいのテクノロジーがあれば、人間側の配置はあっさり判明するでしょうし、小柄で撃たれ弱い変異ウサギは防御よりも攻撃に向いています。
人類をなめていたとしても、その立案能力や作戦遂行能力はとてもお粗末です。
種族の危機に際してもこの程度の人材(?)しか送れないようでは、絶滅もやむなしの異星人なのです。
『キュート・リトル・バニーズ』はこんな方にオススメ
『キュート・リトル・バニーズ』は下記のような方にオススメできる映画です!
こんな方にオススメ
- グロい変異ウサギに興味がある方
- ダメ人間祭りを一緒に楽しみたい方>
- 下ネタ耐性がある方>
- ホラー映画の恋愛要素が好きな方>
- とにかくおっぱいが見たい方>
『キュート・リトル・バニーズ』を視聴できるVOD
『キュート・リトル・バニーズ』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、U-NEXTです!
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『キュート・リトル・バニーズ』のまとめ
映画『キュート・リトル・バニーズ』について、ご紹介しました。
変異ウサギのかわいさとグロさもさることながら、弱点を尿に設定することで必然的に下ネタ祭りになったのか本作です。
コメディとして下品な要素を許容できなければその分評価が落ちる作品でもあります。
主人公メルの恋愛要素とドラマ要素が、アンモニア臭漂うこの作品の救いとなっています。
制作陣を含むダメ人間の博覧会としてはなかなかの出来と言えるでしょう。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事の著者の執筆作品
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