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前作から新要素も!『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のネタバレと評価!

更新日:

名作SFホラー『遊星からの物体X』の前日譚となる話が『遊星からの物体X ファーストコンタクト』です。

舞台は南極にあるノルウェー基地。

前作を観た人にはその結果が既にネタバレとなっている、繋がりをもった作品です。

CGの技術が発達した現代で「物体X」はどのような大暴れをするのでしょうか?

なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。




 

あらすじ・作品情報

遊星からの物体X ファーストコンタクト

ノルウェーの南極観測隊が、氷の中に閉じ込められた未知の生命体を発見。

古代の生物ではないかと推測され、その調査のために考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が彼らの基地に向かう。

だが、生命体は解凍されて長い眠りから覚醒。

しかも、それはほかの生物の体内に侵入しては、細胞を同化して宿主そのものに擬態する、宇宙からやって来た生命体だったのだ。

突如として宿主の肉体を破壊するように変形しては襲い掛かる生命体によって、彼らは誰が同化されているのか判断できない状況になっていき……。

引用元:Yahoo!映画

本作品は映画『遊星からの物体X』の前日譚です。

南極を舞台に、この世のモノとは思えない凶悪なエイリアンと死闘を繰り返します。

SF要素を含んだ傑作ホラー映画です!

 

映画『遊星からの物体X』のネタバレ・評価は下記記事で行っておりますので、ぜひご覧ください。

 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の予告編

 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の良かったところ

導入部はバッチリ

前作同様に導入部から動きがあり、前置きや人物紹介もそこそこに話が進みます。

迫力あるシーンをどんどん用意してくれる娯楽作として最初からとばしてくれます。

 

まともな予算をもつメジャーな作品なので、粗雑なCGやオモチャみたいなセット、手抜き感がすごい音響とは無縁で、B級ホラーによくある残念感に視聴者はおびえずに済みます。

導入部の数分間を観ただけで、しっかり予算が組まれて作られた作品であることがわかるでしょう。

 

とある勇者
ホラー映画は前振りが長い節があるから、それに飽き飽きしてる人にはオススメできるかもね!
そこが新鮮かつ親切だね!
はらちゃん

 

前作へのリスペクトがいっぱい

前日譚ながら、話の構成は前作に近く、『遊星からの物体X』好きな人ならニヤリとするシーンが多いです。

閉鎖空間である極限状況を描いた前作をなぞっているため、冒険的な試みはありませんが、安心して観ていられます。

触手、火炎放射器、変形、血液検査という『遊星からの物体X』の代名詞のような数々の要素が登場します。

 

惜しむらくは、血液検査時のあの緊迫感が味わえなかったこと。

ホラー映画史に残る名シーンなので、現代の技術でどう再現されるか楽しみだったのですが・・・。

 

職場に花が

前作のアメリカ基地では男性ホルモンが充満し、女性の姿はついぞ見られませんでしたが、今作は数少ないものの女性が登場します。

というか、主人公が女性です。

 

現代の世相を反映し、女性主人公は泣き叫ぶだけではなく、「物体X」の危険性をいち早く理解し、増殖を阻止するため積極的に策を練ります。

彼女の前では、高名な博士も「メンツにこだわり名誉欲にとらわれた俗物」みたいな描き方をされます。

映画のように影響が大きいものは世相と無関係ではいられませんね。

 

物体Xの質感はさすが

CG全盛の現代にあって、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』は特撮を利用しているとのこと。

前作に携わった特撮の担当者が今作も協力しているようで、「物体X」のヌメヌメ感や触手の気持ち悪さは前作を踏襲、それに現代のCGが加味された形です。

 

前作も生理的嫌悪感をおぼえる昆虫やクモがモチーフの変形がありましたが、今回も昆虫の脚や触手は健在です。

人体を突き破って、それらが出て来る様子は悪夢のよう。

前作では、幼少時だった私がトラウマを負いましたが、今作で幼子がショックを受けないか心配です。

過去に比べるとホラー映画をテレビで放映しなくなったので、不意に観てしまうケースは減っていると思いますが・・・。

 

とある勇者
お子さんが観ると、ちょっとショッキングなシーンがあるかもしれないね。
視聴する時は、大人だけで観たほうがいいね。
はらちゃん

 

疑心暗鬼あります

『遊星からの物体X』と言えば疑心暗鬼。

今回も「誰が物体Xに乗っ取られているか」で疑心暗鬼に陥ります。

 

ミステリーでも「この中に犯人がいる!」みたいな状況でよく疑心暗鬼に陥りることがあると思います。

しかし、今作のそれは「そいつを野放しにすると人類が危ない!」というワールドワイドなレベル。

 

とある勇者
規模がすごいね。笑
観ている側も手に汗握る展開で、目が離せないね。
はらちゃん

 

前作『遊星からの物体X』から追加要素あります

ホラー映画史上に残る血液検査シーンがない今作では、物体X入りの人間を見分けるための追加要素があります。

それは「治療などで体内に入れた金属類を物体Xは複製できない」という設定。

熱を使った血液検査が発見されてないため、今回はこの要素を使って物体Xに乗っ取られているかどうか判別しています。

 

前作よりもずっと簡単な判別方法として、「歯の詰め物があるかどうか」が採用されています。

ただし、そもそも虫歯とは無縁だったり、金属性のものを治療に使っていない人は自動的に物体X扱いになってしまいます。

この確度の低さがもめ事の原因となり、きっちり判別できないまま物語はバタバタと進行します。

 

とある勇者
名作の設定に頼りっぱなしではなく、新たな設定を盛り込んだのはいい試みだね!
前作をなぞるだけにとどまらず、創意工夫された作品と言えるね!
はらちゃん

 

不快感を誘う物体Xの叫び

視覚的にも不快感を催す形状の物体Xですが、その叫び声も異様なものがあり、不協和音を伴って視聴者に迫ってきます。

我々が見知った動物とはあからさまに異なる咆哮には、一種の不吉さも含まれており、視聴者がもっている動物的な快/不快のスイッチを刺激します。

前作では不協和音をともなう緊迫したBGMが効果的でしたが、今回は異物としてのノイズが物体X自体に盛りこまれている感じです。

 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のイマイチなところ

船内シーンに蛇足感あり

技術が進み、CGによる魔法のごとき映像表現が近づいてきても、船内に侵入し、その内部を描くことは蛇足だった気がします。

まるでゲームのボス戦のような争いと、その後の大爆発は、かえってこの作品をB級ホラーに寄せてしまいました。

たった手榴弾一発で、あそこまでの爆発が起こるのはやり過ぎです。

 

チームワークのなさにうんざり

物体Xの件を認識し、みなが疑心暗鬼に陥る前から、ノルウェーの観測チームは一枚岩とはいえず、しっくりいっておりません。

功名心にはやる博士が学術的なリーダーシップをとっているものの、実務的なリーダーはまた別におり、一緒に仕事はしているものの、同じ方を向いているとは言えない状況。

その中で今回の出来事が起きたため、人間同士の争いが起きます。

 

そして、物体Xが手を下したわけではない、純粋な仲間割れで死者が出ます。

 

とある勇者
閉鎖環境での疑心暗鬼が『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の特徴だから、設定としては仕方ないのかもしれないね。
観ている側としては「しょうもないことで死人を出してるなぁ・・・」と呆れてしまう部分はあるけどね。
はらちゃん

 

主人公ケイトの魅力が微妙

前作と違って今作は女性隊員もおり、その中の一人ケイトが主人公として活躍します。

このケイトがそこそこ知的でそこそこ美人、そしてそこそこかわいいという微妙なキャラをしております。

決して突き抜けた何かをもっているわけではなく、人物を掘り下げるようなエピソードもないので「魅力的で応援したくなる主人公」になれていません。

 

特に、最終盤のケイトは疑心暗鬼の塊みたいになっていますし、そもそもの結果が本家『遊星よりの物体X』で示されている、ネタバレありきの作品なので、「ケイト生き残ったの?ふーん。」と、彼女の安否がどうでも良くなります。

 

とある勇者
「行動する強い女」的要素を濃くしすぎたのかな。
その影響もあってか、人間味が薄れてしまったのかもしれないね。
はらちゃん

 

やっぱり欲しかった血液検査

前日譚とはいえ、名作『遊星からの物体X』をなぞっている作品なので、やはり血液検査のシーンは欲しかったです。

前作ファンであればあるほど、その想いは強いはず。

 

あの緊迫感とその後の衝撃的な展開が脳裏に焼き付いている人は、シーンの再現を期待しながら観ていたのではないでしょうか。(もちろん自分もです。)

ベタと言われようが、他の映画では見られない特別なシーンなのです。

 

悪夢過ぎるセクシーさ

貴重な女性隊員があのような使われ方をした上に、悪夢過ぎるセクシーさをさらしながら大暴れする展開は、男性諸氏のちょっとした期待をミクロレベルですり潰した上に、トラウマの種をまくというSFホラー界の暴挙!

ホラー映画なので、衝撃的なシーンどんとこいの視聴者が多いとはいえ、序盤であれほどのものを見せつけるとは思いませんでした。

あのシーンで変な性癖に目覚めた男性がいないことを祈ります・・・。笑

 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』はこんな人にオススメ

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』は下記のような方にオススメできる映画です!

こんな方にオススメ

  • SFホラーが好きな人
  • 閉鎖空間での物語が好きな人
  • グロテスクなクリーチャーが好きな人
  • 『遊星からの物体X』が好きな人
  • 疑心暗鬼のサスペンス的要素が好きな人
  • 涼しそうな景色が見たい人
  • 仲間割れウエルカムな人
  • 女性主人公ががんばる姿が好きな人

グロテスク表現があるので、そういったホラーが得意ではない方は、避けたほうがいいかもしれません。

 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の口コミ

本作品は前作を視聴している方が、より楽しめます!
はらちゃん

 

前作が1982年公開、本作が2011年公開なので、CG技術の発達ぶりがよくわかる作品ですね!クリーチャーがCGになって、前作よりも不気味さや味がなくなったという意見もありますが・・・。
はらちゃん



 

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』を視聴できるVOD

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のまとめ

映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』についてご紹介しました。

名作SFホラー『遊星からの物体X』の前日譚という形をとりながらも、その構成をなぞっているのが『遊星からの物体X ファーストコンタクト』です。

前作から追加された要素もあり、ただ映像の質が上がっただけの作品ではありません。

前作のファンであれば、前作リスペクトに満ちた作品です。

人物の掘り下げがあれば、もっと感情移入できて白熱して観られたかもしれません。

総合評価

4.0点 / 5.0点

最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

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