今回はAmazonプライム加入者が無料で視聴できるコメディホラー映画『ゾンビーワールドへようこそ』を取り上げてみようと思います。
ホラーとしてはB級感漂うタイトルとパッケージですが、実際の内容はどうなのでしょうか?
配給が大手のパラマウントなので、こっぴどい事態にはなりにくそうですが・・・。
それでは見ていきましょう!
あらすじ・作品情報
冴えないボーイスカウト3人組がゾンビの大群と死闘を繰り広げるサバイバルスリラー。
高校生になってもボーイスカウトを続けているベン、カーター、オギー。
女の子に興味津々のベンとカーターはボーイスカウトを辞めたがっていたが、真剣に取り組むオギーにそのことを言い出せずにいた。
そんなある日、思いがけずパーティに誘われたベンとカーターはキャンプを抜け出して会場へ向かおうとするが、その途中でゾンビの大群に出くわしてしまう。
ピンチに陥ったところをストリップバーのウェイトレスに助けられ、オギーとも合流した彼らは、ボーイスカウトで身につけた様々な技術を駆使して凶暴なゾンビたちに立ち向かう。
ベン役に「グランド・ジョー」のタイ・シェリダン。
「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの脚本家クリストファー・ランドンがメガホンをとった。
引用元:映画.com
クリストファー・ランドンは引用元にもあります通り、あの有名な「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの脚本を手掛けています。
有名な脚本家が手掛ける作品なので、期待できるかもしれませんが、期待のし過ぎはあまり良くないかもありません・・・。
『ゾンビーワールドへようこそ』の良かったところ六つ
コメディホラーとして秀逸!
コメディ要素が空回りして痛々しい作品もある中、この作品はコメディのお約束をきっちり守りながら、テンポ良く笑わせてくれます。
開始から七分はコミカルさ全開なので、この映画のノリが自分にあうかどうかを判別することができます。
冒頭の七分を楽しめる人であれば、最後の最後まで上質なコメディホラーとして視聴することができます。
もし自分の好みに合わないようであれば、別作品を視聴した方がいいかも知れません。
ところどころにお笑いが入るのではなく、全編通してコメディテイストなので、いきなりテイストが変わりそれが続いていくことがないからです。
ホラー描写もしっかりしている
ココが見どころ
かなりコメディ寄りの作品ではあるものの、ゾンビと戦う際のホラー描写はしっかりしており、ゾンビの体がふっとんでいく描写に手抜き感はなく、人を怖がらせようとするマジメ(?)なホラー映画と比べても遜色ありません。
「コメディ主体だからグロシーンはやっつけCGで済まそう」なんて思惑もなく、全編通じてしっかり描写されております。
また、戦闘時のカメラワークも凝っていて、主人公たちが奮闘する様子を余すところなくとらえております。
過去のゾンビ映画はもとより、ゾンビが出てくるゲームからもインスパイアされたであろうシーンが登場するので、ゾンビ好きをニヤリとさせる作品です。
青春と友情映画としての側面も!
コメディ、ホラーに続く柱として男子の友情物語としての要素があり、三つが一緒の柱となってこの映画を支えています。
男子高校生が持つ「とにかくモテたい欲求」「エロいものを摂取したい欲求」と幼少時代から培った友情が対立し、主人公三人組の仲に不協和音が芽生えますが、ゾンビパニックという困難をともに乗り切ることによって友情再確認というパターン。
かなり下品なネタも仕こまれているというのに、視聴後に爽やかな気分になれるのはこの友情パワーのおかげです。笑
さらに、三人衆のキャラがくっきりと分かれているので、ストーリーの把握を容易にしてくれます。
といってもドタバタ劇なので、難解なストーリーではないのですが・・・。
おっぱいあります!(ただしゾンぱい)
女性への好奇心がマックスの年頃な主人公たちに、神は試練とともにおっぱいを与えてくれました!
とはいえ、拝めるのはゾンビ化したあとのそれなので、いくらか残念でもあります。笑
そのゾンビおっぱいに対する「やったおっぱいだ!でもゾンビだどうしよう」という少年(と男性視聴者)の葛藤を描ききった数少ない作品と言えます。
特殊メイクにより青黒い血管が縦横にはしっている不気味なおっぱいを、主人公の一人がさわりにいくシーンは「おっぱい揉みたしゾンビは怖し」という極限状態における男子の心理を見事に表現。
そして視聴者は「男ってバカだな・・・・・・」と思うと同時に「バカでいいじゃないか!」と援護したくなることでしょう。
あれ?
援護したいと思うの自分だけでしょうか?笑
ゾンビ災害発生×ホームセンターという一つの夢がここに
「ゾンビ災害が発生したらどこに逃げこむか」という妄想トークの中で、ホームセンターは一定の人気を誇っています。
その理由は、制作可能なハンドメイド武器の材料がしこたま揃っているため。
劇中でも「ハンドメイド武器でゾンビをなぎ倒す」要素がもりこまれ、ホームセンター逃げこむ派の胸を熱くしてくれます。
主人公である三人衆はボーイスカウトに所属しており、もの作りにはなれているので、武器作成にその手腕をいかんなく発揮し、各々凝った武器を作成してくれます。
三人衆の成長もしっかり描かれている
前半部の三人の戦闘力を表現すると、
三人の友情パワー <<<< ウェイトレス一人
とかなり情けない姿を見せる少年たちです。笑
しかし、後半部では、
三人の友情パワー >>>> ウェイトレス一人
と見事に逆転し、視聴者にカタルシスを与えてくれます。
最後には「みんな成長したなぁ・・・」と親戚のおじさんやおばさんみたいな温かい目が彼ら三人に注がれることでしょう。
実際、前半は嫌っていうぐらいヘタレ部分を強調しているので、後半の巻き返しがなかったら、かなり物語の印象が変わると思います。
そのぐらい後半は活躍します。
『ゾンビーワールドへようこそ』のイマイチなところ五つ
ほとんど怖くない!
いくらコメディホラーをうたっているとはいえ、ジャンルとしてはまぎれもなくホラー。
真夏に背すじゾクゾクの涼を期待して観る人もいるやも知れません。
あまりにもコメディ寄りの作品なので、恐怖感を求めて観た人は肩すかしを食らうかもしれません・・・。
特に心理的な涼しさを求めて借りた人は、心あたたまる友情物語を目撃することになるため「よけいに暑いわ!」となる可能性も。笑
とにかく下品
視聴する年齢層を低めに設定しているのか、ど直球の下ネタが多いです。
特にひどいのが、おじいちゃんゾンビのアレにつかまってぶら下がるシーン。
のびきったアレが最終的に千切れてしまうシーンは、いくら相手がゾンビでもひどすぎなのです!笑
元々ホラー映画は食事中に観るタイプのものではありませんが、それにしてもひどいです。
グロシーン、エロシーンのほか、下ネタシーンもあるので、家族と一緒に食事中視聴しようものなら、食事と一緒に気まずい空気を味わうことになるでしょう。
家族団らんの雰囲気をきれいさっぱりぶち壊してくれる一本といえます。
おばあちゃん子にトラウマプレゼント実施中
世の中に一定以上いる「おばあちゃん子」にとって、これは危険な作品なのです。
隣人のおばあちゃんが生前から不気味な雰囲気を漂わせている上、ゾンビ化したあとは大暴れし、少年のおしりをガブガブいっちゃいます。
この映画の監督は自身のおばあちゃんに恨みでもあるのでしょうか・・・。
ドリー・パートンネタがわからない
ドリー・パートンの熱烈なファンとおぼしきダメな大人キャラがいるのですが、この地がUSAではなく日本な上、年代も異なるためか、ドリー・パートンネタがわからないです。
知っている人なら爆笑かも知れないシーンでも、おおよその日本人視聴者が「なんかおもしろそうなネタが仕込まれているが、ネタ元が良くわからない」という悔しい(?)想いをします。
元ネタはわからなくとも、ドリー・パートンへの偏執的な愛情は伝わってきますが・・・。
外国人=格好いいという幻想をぶち壊す
日本人の欧米コンプレックスを良い意味でも悪い意味でも破壊してくれます。
多少の美形キャラがいるものの、主人公の少年たちはイケておらず、彼らの指導者であるボーイスカウトの隊長も非常に残念な感じです。
ある意味「欧米コンプレックスにとらわれた日本人の価値観に一石を投じる」作品と言えましょう。
『ゾンビーワールドへようこそ』の全体的な感想
コメディ要素が強すぎて、純粋なホラーを求める人には手に余る作品ですが、少年たちの友情と成長の物語という要素があるため、下ネタ満載の割に視聴後は爽やかさに包まれます。
テンポも良く、特殊効果もしっかりしているので、娯楽作品としては高水準です。
ただし、一家の団らんを破壊する要素も満載なので、ファミリー向けではございません。
友達とゲラゲラ笑いながらホラー映画を観る層には最適の一品です。
『ゾンビーワールドへようこそ』を視聴できるVOD
『ゾンビーワールドへようこそ』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、Amazonプライム・ビデオです。
月額400円と非常に安価で、多くの映画やドラマ、アニメなどを視聴することができます。
※2019年2月時点の情報です。
また、30日のお試し無料期間が付いているので、まずは無料体験から始めてみましょう!
まとめ
映画『ゾンビーワールドへようこそ』について、個人的レビューを書きました。
『ゾンビーワールドへようこそ』は下ネタばかりなのに、視聴後は爽やかな気持ちになれる良質なコメディホラー作品です。
しかし、ホラー要素は薄めなので、背すじをゾクゾクさせたい人には物足りないかも知れませんね。
脚本家が良いだけにハズレとは思いませんが、映画に求めている内容によっては合う合わないがあると思いますので、本記事がその参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事の著者の執筆作品
著書名:オブザデッドレビュー34発
電子書籍サービス:Kindle
紹介文:林立するゾンビ映画をひたすらレビュー!『○○オブザデッド』が多すぎて困っているホラー映画好きのあなたに送る一冊です。