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ホラーと恋愛要素を混ぜると面白い?ウォームボディーズのレビュー!

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今回はかなり毛色の変わった恋愛(?)ゾンビ映画『ウォームボディーズ』について書いていこうと思います。

『○○オブザデッド』でも『○○ゾンビ』でもない、あまりゾンビ映画らしからぬタイトルですが、物語の行く末を暗示するタイトルでもあります。

ちなみにボディという言葉は死体という意味も含んでおります。

それでは『ウォームボディーズ』について、見ていきましょう!




 

あらすじ・作品情報

ウォームボディーズ

ゾンビとニンゲンが敵対する近未来。

ゾンビ男子Rは、ある日、襲撃するはずのニンゲン女子ジュリーにひと目ぼれ、助けてしまう。

最初は恐れをなし、徹底的に拒絶していたジュリーも、Rの不器用全開な純粋さや優しさに次第に心を開きはじめる。

出会ってはいけなかった、けれど、うっかり出会ってしまった二人の恋。

それは、最終型ゾンビの“ガイコツ"軍団、そしてニンゲンたちのリーダーでもあるジュリーの父親にとっても許されるものではなかった!

彼らの恋は、ゾンビの死に絶えた“冷たい"ハートを打ち鳴らすことができるのか!?

そして、終わりかけている世界に、もう一度“温かな"希望をよみがえらせることができるのか!?

引用元:Amazon

全米興行収入で初登場1位を獲得した有名映画となっています。

さらに、日本でも実に97%の人から好支持を得ています。

これだけでも見る価値がある作品と言えるでしょう!

 

『ウォームボディーズ』の良かった点五つ

斬新なゾンビ恋愛モノ

とある勇者
ゾンビが恋愛するの!?笑
そうなんです!この斬新な設定が視聴者を釘付けにします!
はらちゃん

 

ゾンビに変わりゆく恋人と悲劇的な結末を迎えるゾンビ映画は今までもけっこうありました。

古いところで言うと、『バタリアンリターンズ』が挙げられます。

 

この作品が斬新なのは、既にゾンビ化した者と人間との恋愛で、なおかつゾンビ側の青年が相手に一目惚れするという点です。

しかも、主人公の男性ゾンビRが一目惚れ相手の恋人をガブガブムシャムシャいっているという、障害多すぎ、難易度高すぎの恋愛が始まるのです。笑

恋愛モノにありがちな、二人のすれ違い、無理解な親による妨害も用意されており、バルコニーのシーンは『ロミオとジュリエット』そのもの!

「ゾンビ要素はオマケなのかな?」と思わせる内容です。

 

ゾンビ映画のフォーマットもちゃんと守っている

かなり恋愛映画寄りの作品とはいえ、現代ゾンビ映画の祖である故ジョージ・A・ロメロ監督の作品が元となったロメロゾンビの定義は守っております。

ロメロゾンビの定義

  • 噛まれたら感染してゾンビに
  • 脳を破壊すればゾンビを倒せる
  • (基本的に)動きが緩慢
  • 生前の習慣に従う

『ウォームボディーズ』内のゾンビはスタンダードな感染型で、噛まれるとゾンビ化するタイプ。

動きもノロノロで、言葉を口にできる者は少数。

生前の習慣に従って空港をたむろし、人を食うために襲います。日本だったら通勤電車にのろうと、駅でスーツ姿のゾンビがひしめいているかも知れませんね。

中盤からは次第にゾンビたちの雰囲気が変わってきて、失っていた人間らしさを取り戻していく展開になります。

 

荒廃した世界と、美しい風景、音楽の対比が印象的

終末感漂うゾンビうじゃうじゃワールドでは、瓦解したビル、鉛色の空、割れたガラス窓、薄汚れた衣服など、この世の終わりを感じさせる灰色の世界が展開しています。

全てが色あせた、希望を感じさせない世界です。

 

荒廃した都市部とは対照的に、郊外の自然は力強く緑の輝きを放っており、また、夢の世界でも鮮やかな色彩が広がります。

『ウォームボディーズ』では、死人が支配する場所以外にも文明社会自体が灰色に描かれており、人類と無関係に存在し続ける自然環境や、人間のもつ自由で豊かなイメージである夢は色鮮やかに描かれています。

いきすぎた文明のもつ窮屈さを表現しているのでしょうか?

 

中盤までカタコトでしか喋れないゾンビ青年Rの気持ちを代弁するがごとく、様々な曲が劇中で流されるのですが、これがまたいい味を出しています。

曲自体の完成度はもちろん、ゾンビ青年Rの切なさ、もどかしさが映像ではなく音楽という形で表現されています。

彼の独白が多くなり、説明的になりすぎるのを防ぐ作用も。

 

くすぐるような緩和時のシーン

とある勇者
ゾンビが出てくるようなホラー映画はずっと緊張しぱなっしで疲れそうだね・・・。
確かに一般的なホラー映画は気を張って観る必要があるかもしれないね。でも『ウォームボディーズ』は緩和シーン、つまり気を落ち着けられるシーンもあるよ。
はらちゃん
とある勇者
それだったら視聴者が観ていて疲れることはなさそうだね!

 

おおよそのホラー映画同様、緊張と緩和を繰り返しながら話が進む『ウォームボディーズ』ですが、緩和時の日常シーンに前代未聞のものがあります。

それは「ゾンビのメイクシーン」です。

人間がゾンビに偽装するための工夫をこらす作品が数あれど、その逆パターン、つまり「ゾンビが人間になりすますためメイクする」シーンはありませんでした。

このシーンはゾンビが人間性を取り戻す『ウォームボディーズ』の象徴的なものでもあります。(しかも、メイクを担当する女子二人がノリノリ。笑)

歴代ゾンビ映画屈指の不思議系、ほのぼのシーンと言えましょう。

 

ベタでもウェルカムな胸熱展開

重苦しい雰囲気の中、人類と敵対するゾンビたちが描かれる前半と異なり、後半は人類・ゾンビ連合軍VSガイコツ軍団という流れに。
(ガイコツはゾンビのなれの果て、思考能力がなく、ひたすら襲い食らう)

ゾンビ青年Rの影響で人間性を取り戻しつつあるゾンビたちが人間と共闘し、死と破滅の象徴ともいうべきガイコツ軍団にあらがうさまは、ベタとはいえ胸が熱くなる展開なのです。

 

ゾンビたちが人間性を取り戻すに従って、少しずつ色彩のある風景が増えていくのも、注目したい演出の一つです。

最初は気味の悪い存在でしかなかったゾンビたちが、最後は生き生き(?)と活躍し、人間もゾンビたちをすんなり受けいれます。

普通のホラー映画だったら、人間とゾンビの間に横たわる溝を描くと思いますが、『ウォームボディーズ』では融和の展開が早く、そのあたりも特徴的です。

 

ロメロ監督の別作品『ランドオブザデッド』ではゾンビが知能を獲得し、ゾンビ仲間で意思の疎通を行い、人間の死体にとどまらない、新たな一種族として活動を開始します。

一方、『ウォームボディーズ』は人類と意思疎通し、人間性を取り戻していくストーリーなので路線が少し違います。

人間性を取り戻していく段階で心臓の鼓動が再開し、体温が上がっていく様子が映画のタイトルに通じるという作りです。

人間性を取り戻しゾンビたちが社会復帰(?)する流れは、ホラー映画には似合わないほどのハッピーエンド。

救いのないエンディングが多いゾンビ映画に食傷気味な人にぴったりの、ホラー界の箸休め的映画です。

 

『ウォームボディーズ』のイマイチな点三つ

ほとんど怖くない

人間視点のほか、ゾンビ視点でも話が進む上、主人公がゾンビの関係で、ホラーとしてはほとんど怖くありません。

ゾンビが人間を襲うシーンはあるのですが、直接的なグロ描写はありません。

恐怖を味わいたくてホラー映画を観たい人にはオススメできない作品です。

 

ホラー映画に出るモンスターにとって「理解不能で、意思疎通できない存在」である要素って大きいんですね。

最後の最後までガイコツという存在は不気味であり続けますが、終盤でゾンビたちはかなり人間寄りの存在に変化します。

「人間と姿はほとんど同じだが、意思疎通ができず問答無用で襲ってくる」ゾンビの良さ(怖さ)をほとんど失っています。

 

はらちゃん
ホラー要素が強すぎるわけではないので、好奇心でホラー映画を少し観てみたいと思われている方におすすめの映画です。

 

科学的なリアリティがゼロ

ウイルス感染型のゾンビという設定で、感染者を判別する機械もあるのですが、ゾンビが人間性を取り戻すきっかけが「一目惚れによる胸のドキドキ」なので、リアリティもへったくれもないです。

リアリティを重視すればいい作品ができるわけでもないのですが、ゾンビ映画としてはかなり荒唐無稽。

まぁ、ゾンビがいるという前提のお話でリアリティを持ち出すのは野暮かも知れませんが・・・・・・。

恋愛物語として成立させるために、ゾンビ映画としてのリアリティーを二の次にしている感は否めません。

 

あちこちに視点が飛ぶのが辛い

物語としてはかなりシンプルなものの、人間側の視点、ゾンビ側の視点のほか、ゾンビ青年Rが取りこんだ人物の記憶に加え、夢の風景も出てくるので「いま現実?過去の記憶?それとも夢?」と観ている側が混乱する可能性も・・・。

視聴者は、いつも万全の体調で観られるとは限りません。

寝不足だったり、お酒を飲みながら観ている人にとって、頻繁な視点の切り替えは目まいを覚えます。

過去の記憶と判断できるようエフェクトはかかっていますが、あちこちに視点が飛ぶ展開が苦手な人にとっては厳しい作品かも知れません。

 

全体的な感想

ホラー映画として観ると、ハッピーエンドすぎるし、恋愛映画として観ると怖すぎる不思議な作品です。

ゾンビ映画としてのリアリティより、恋愛モノとしての雰囲気を重視する方にオススメです。

あと「怖くないホラー映画が観たい」と無理難題(?)をふっかけられた時は頼りになる存在です。

 

他の視聴者の口コミ

一応ホラー映画の位置づけ?だと思いますが、恋愛部分に関する感想ですね。やはり、恋愛寄りの映画なのかもしれません・・・。ですが、ホラー映画としては有名なので、ホラー好きの方も観て損はないと思います。
はらちゃん

 

映画の設定的に、やはり他の映画にはない設定と思われる方が多いようです。しかし、それが逆に視聴者を釘付けにしているのかもしれませんね。
はらちゃん

 




 

『ウォームボディーズ』を視聴できるVOD

『ウォームボディーズ』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『ウォームボディーズ』のまとめ

『ウォームボディーズ』のレビューを書いてきました。

『ウォームボディーズ』はゾンビ映画と恋愛映画のハーフアンドハーフ。

ゾンビ青年Rに共感できれば、視聴後ほんわかした気持ちになれる、珍しいホラー映画です。

全米でも日本でも非常に人気のある作品でありますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

オブザデッドレビュー34発

著書名:オブザデッドレビュー34発
電子書籍サービス:Kindle
紹介文:林立するゾンビ映画をひたすらレビュー!『○○オブザデッド』が多すぎて困っているホラー映画好きのあなたに送る一冊です。

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