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映画『ナイトウォッチメン』のあらすじ・ネタバレ・評価!

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ルーマニア巡業の際に吸血鬼化したピエロの死体が、ビルに誤配されたことから発端する騒動を描いたのが本作です。

主人公たちはビルに勤務する脱力系の警備員たち。

建物が吸血鬼であふれる中、彼らはどんな脱出劇を見せてくれるのでしょうか?

それでは、レビューを行っていきます。




 

あらすじ・作品情報

ナイトウォッチメン

『テキサス・チェーンソー』のプロデューサーが手掛けた、ゾンビのようにバンパイアが増殖していく“ゾンパイア”ホラー。

能天気でおバカな警備員3人組とセクシーな女性ジャーナリストが一致団結し、大量のバンパイアの群れに立ち向かう。

引用元:Amazon

2016年に公開された映画です。

 

『ナイトウォッチメン』の予告編

 

『ナイトウォッチメン』の良かったところ

意外と真面目なとこもある?脱力系警備員たち

吸血鬼化した死体がビルに配送され、元バンドマンの主人公が警備員として加わってから物語は動き出します。

ビルの警備を担当する面々はダメ人間として描写され、主人公もその様子に呆れていますが、ポーカーをしながらもちゃんとモニターをチェックするなど、給料分は働く真面目さも持ち合わせています。

武装もきちんとしており、命中率に難のあるメンバーはいるものの、緊急時の射撃もいといません。

 

モニターで孤立化したヒロインのカレンを発見して救助に向かいますし、脱出用に車の鍵を探すなど、まともな行動をとっています。

また、吸血鬼対策のため首を守る首輪のような防具や杭を自作する発想力と工作力を備えています。

 

意外なほどのコンビネーションも見せてくれますが、やはり根っこはダメ人間です。

ビルから無事に脱出するため、警備員の一人であるシゲッツがためこんでいたマリファナを燃やし、ダクトを通して吸血鬼に吸わせ、戦闘能力を低下させるという無茶苦茶な作戦を決行します。

まともな人はマリファナなど栽培しませんし、それを大量に吸わせて前後不覚にすることなど思いつきません。

 

マリファナもくもく作戦以外は常識の範囲内(?)で脱出活動にいそしんでおり、最後の日光で一網打尽にするやり方もシンプルかつ効果的。

思ったより真面目かつ有能なのです。

「日本よ!これがアメリカのビル警備員だ」と言わんばかりの活躍ぶりなのです。

 

随所に散りばめられたボケ

本作は随所にボケが散りばめられています。

あまりにもボケが多すぎると、話の流れが途切れてしまうためテンポが悪くなりがちですが、この作品はストーリーの展開もアクションシーンもスピード感があるためボケが邪魔になることはありません。

 

「男の涙は恥じゃない」「手を骨折しただけだ」のやりとりに代表される会話は、センスとテンポの良さを感じさせます。

吸血鬼ハンターのような雰囲気の何かプロっぽい人が説明中にテイクアウトされるのは、コメディ寄りホラーでは様式美となっているスタイルです。

作中では警備員の面々によるリアクションが、テイクアウトシーンのオマケとしてついてきます。

 

警備に関するマニュアルを持ち出されたのだと勘違いし、ケンが20年間書きためた小説を主人公がビリビリに破くシーンもたまりません。

しかも、その内容がSF官能小説という謎のジャンルです。

壮大なスペースオペラ兼エロティックなストーリーが、ケンの脳内でうずまいていた模様です。

20年間手がけた大作を間違いで破棄されたケンの心的ダメージやいかに……。

 

そして、兵士あがりの冷酷な殺し屋的な扱いを受けていたルカは、元パン屋というオチ。

いかにも雰囲気を漂わせていたのは見事なフリでした。

もう一ひねりして実際に伝説の兵士である可能性もあるので、その動向からは目を離せなかったです。

アメリカの元パン屋さんは戦闘力が高いのがデフォルトなのでしょうか?

 

サービスはハプニングと共に

主人公たちが警備するビル内における力と人数が、人間より吸血鬼の方が優勢なためか、サービスシーン(?)の担当が吸血鬼となっております。

なぜか人間女性と吸血鬼女性の争いが、服の破き合いとなっていて、敗者となった吸血鬼が上半身をさらしてくれます。

 

また、女吸血鬼に抵抗するはずみでその胸をさわり、妙な雰囲気になるシーンも準備されていて、「もう人間の女性じゃ興奮できない!女性型のモンスターこそ至高の存在!」というマニアックな方のツボを刺激します。笑

とはいえ相手は吸血鬼なので、人を襲ったり、杭を打ちこまれたり、太陽光で消し炭になったりするのですが……。

マニアックな趣味の人は、その悲劇的な側面も含めてモンスターに魅力を感じるのかな?

 

やっぱり怖いピエロの姿

専門の恐怖症が存在するほど、ピエロは独特の怖さをもっています。

吸血鬼騒動の発端が、そもそも吸血鬼化した著名サーカス団の誤配なので、後半はピエロが大暴れします。

 

人間に似て非なる姿が、見る者の背筋をざわつかせるピエロが、さらに吸血鬼化し弱点こそあれど不死の体となって襲ってきます。

ピエロ恐怖症の視聴者にとっては悪夢のような展開です。

特に、人間時代はサーカス界のスターであったブリンポは圧倒的なパワーをもっていて、困難を乗り越えてきた主人公たちを子供扱いします。

あの特異な姿でラスボスとして立ちはだかるのです。

 

『ナイトウォッチメン』のイマイチなところ

オナラ出る設定必要あった?

コミカルさを演出するためか、本作の吸血鬼は倒すとガス(オナラ?)が出る仕様となっています。

そのガスは悪臭をともない、まんまオナラのような扱いです。

オナラは子供が喜ぶ下ネタですが、本作が視聴を想定しているターゲットは子供ではなく、妄想と現実の区別がつくホラー好きの大人です。

斬新といえば斬新な設定ですが、大して笑えない上に物語全体が下品になるため、余計な設定にも感じられます。

 

例えば、ガスが引火してロケットのように空を飛ぶのならギャグとして吹っ切れていますが、そんな様子もなくただただ下品なだけです。

どうせオナラを使うのなら、もっと吹っ飛んだ設定にして欲しかったですね。

ガスに対する科学的な見解もなく、リアリティを増すための設定というわけでもありません。

制作陣は幼稚園児の発想で、面白かろうとガスを盛りこんだのでしょうか?笑

 

十字架弱点なら、杭を交差させれば良いのでは?

本作のオナラつき吸血鬼も、吸血鬼にまつわる一般的な設定に従っております。
(警備員同様意外と真面目!)

ニンニク、日光、十字架が弱点で、心臓に杭を打ちこまれると死を迎えます。

ガスが発生し、女性型吸血鬼の服が破れやすい以外独自な設定はありません。

 

十字架が弱点であるという設定を使い、服が破けた主人公の背中からタトゥーの十字架が露出し、ピンチを切り抜けるというシーンがあります。

危機に陥った主人公たちに逆転の扉が開かれる見せ場なのですが、背中に彫られた平面的な図柄で効果を発揮するのであれば、十字に交差させた杭でも十分威力があるのではないでしょうか?笑

誰もその発想にいたらなかったのでしょうか?

あれだけ機転が利く面々なので、すぐに思いつきそうなものですが……。

みなキリスト教的な信心とは遠いところにあるという設定かも知れませんね。

 

ピエロの怖さを生かし切れていない

容貌魁偉たる姿で強烈な印象を与えるピエロたち、その特性を生かしたサーカス的な技があっても良かった気がします。

ただ巨大かつパワフル、奇抜な格好をしているだけではもったいないです。

 

玉乗り、ジャグリング、空中ブランコ的な技と、吸血鬼がもつ不死性やパワフルさが組み合わされば、もっと厄介でおぞましい存在になったと思います。

その分主人公たちの負担は増してしまいますが……。

 

『ナイトウォッチメン』はこんな方にオススメ

『ナイトウォッチメン』は下記のような方にオススメできる映画です!

こんな方にオススメ

  • ダメ人間が好きな方
  • くだけた作品が好きな方
  • 下ネタに耐えられる方
  • 人間VS吸血鬼の服破りバトルが見たい方
  • テンポの良いボケが好きな方



 

『ナイトウォッチメン』を視聴できるVOD

U-NEXT

『ナイトウォッチメン』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、U-NEXTです!

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『ナイトウォッチメン』のまとめ

映画『ナイトウォッチメン』について、ご紹介しました。

妙な下ネタやコミカルな展開はあるものの、ダメ人間同士の友情や彼らなりの創意工夫で吸血鬼の猛威にあらがうのが本作です。

下ネタとボケとアクションを盛りこみながら、テンポ良く話は進んでいきます。

吸血鬼に対抗するため抜群のチームワークを発揮し、下ネタ満載の割に視聴感は爽やかです。

全体的にスピード感にあふれ、ややこしい設定もないので視聴しやすい娯楽作品となっています。

下ネタさえ許容できればの話ですけれども……

総合評価

3.5点 / 5.0点

最後までお読み頂きありがとうございました。




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