今回は映画『NANA』のレビューを行います。
本作は矢沢あい先生の少女漫画が原作となっています。
主人公であるナナを歌手である中島美嘉が演じたことで話題となりました。
私は原作を読んだことはないので、今回予備知識なしでの鑑賞となりました。
映画の内容は知りませんでしたが、主題歌や挿入歌は当時かなり流行っていたので音楽番組などで耳にすることがありましたね。
では、早速レビュー開始します!
あらすじ・作品情報
東京にいる彼氏の元へ向かう小松奈々(宮崎あおい)とバンドでの成功を目指し上京するボーカリスト・大崎ナナ(中島美嘉)。
そんな二人が東京駅に向かう電車の中で偶然隣り合わせた。
同い年、同じ名前ということで意気投合した二人は後日、引越し先の部屋で再会し一緒に暮らし始める。
ナナは新たなバンドメンバー・シン(松山ケンイチ)を見つけ、なじみのギタリスト・ノブ(成宮寛貴)やドラマー・ヤス(丸山智己)と“BLACK STONES(ブラスト)”としての活動を東京で再開する。
一方、彼氏の章司(平岡祐太)との関係がぎくしゃくし始めていた奈々に“TRAPNEST(トラネス)”のライブチケットが当たる。
トラネスは才能あふれるリーダー・タクミ(玉山鉄二)や名ギタリスト・レン(松田龍平)などのいる超人気バンド。
奈々はそのライブにナナを誘うがナナはなぜかトラネスのライブに行くことを渋る。
そこには奈々の知らないナナの過去があった…。
引用元:TBSチャンネル
『NANA』の予告編
『NANA』の良かったところ
2人の個性豊かなNANAの掛け合い
本作には2人の主人公が存在し、そのどちらも名前が“NANA”です。
映画の中では、中島美嘉演じるクールで音楽に情熱を注ぐ女性が“ナナ”で、宮崎あおい演じる天真爛漫ながらも自分探しに一生懸命な女性が“ハチ”と呼ばれています。
2人はそれぞれ育った環境も現在の生き方も全く異なる存在ですが、ひょんなことから一緒に暮らし始め、いつの間にかお互いがお互いにとって必要な存在となっていきます。
この全く方向性の異なる2人のNANAの掛け合いが絶妙で、一見するとハチの方がしつこく絡んでいるように見えるのですが、実は鬱陶しいと思いながらもナナもハチの明るさに癒されているかのような不思議な関係性があるんです。
中島美嘉演じるナナ
本作で大崎ナナを演じる中島美嘉ですが、彼女をキャスティングしたことで、この映画はひとまず成功したと言って過言ではないでしょう。
クールながらも、音楽への情熱を持つギャップが内在したナナというキャラクターを見事に演じています。
元々歌手として有名な中島美嘉ですが、これほど演技もできるとは驚きでした。
彼女が演じるナナは、一見するといつもクールで冷めている印象を受けるのですが、心は寂しがり屋で甘えたがりという、ちょっぴりメンヘラ気質があるんです。
男っぽい性格と見た目ですが、実は本当のところで女性っぽいのはこっちのナナだったりします。
“クールながらもドライではない湿っぽさ”という微妙なさじ加減を表現した中島美嘉に注目です。
宮崎あおい演じる“ハチ”がとにかく可愛い
ハチと呼ばれる小松奈々がとても可愛く、天真爛漫で曇りひとつない笑顔の表情が魅力的です。
映画の中盤までは彼女の恋愛劇が行われますが、浮気されていてもなかなか気がつかず、失恋してもなお明るく振る舞える姿を見ていると、本当に心から明るいんだなと思えるキャラクターでした。
ナナに犬みたいに人懐こいから“ハチ”と名付けられたのも納得できる愛らしい笑顔でした。
彼女のおかげで頑なだったナナの心を動かし、行動に移させることに成功しています。
友情あふれる物語
本作ではナナとハチの友情が見所ですが、彼女たちを取り囲む仲間たちとの関係性も目が離せません。
ハチの親友である早乙女淳子が「浮気された原因はハチにもある」として、傷心の彼女を慰めるだけでなく叱咤もしている姿が印象的でした。
ただ傷を舐め合うような関係ではなく、ハチのためにもなるアドバイスをするというしっかりとした友情関係が垣間見えます。
また、ナナのバンドメンバーとの関係もなかなか見所です。
どこまでも明るいノブや、クールながらもナナの本心を理解しているヤスなど、彼女を取り巻く仲間達はどこまでもいいヤツらで、ナナを想いやってくれます。
豪華なキャスティング
本作に登場するキャラクターのキャスティングがかなり豪華です。
主人公2人の他に、松田龍平、成宮寛貴、松山ケンイチ、玉山鉄二、伊藤由奈と、その後かなり話題になる俳優・アーティストの面々がこの映画で出揃います。
まだ垢抜けしていない若い時代の彼らを見るのも興味深いです。
本物だからできる音楽パフォーマンス
音楽に絡んだ物語ということで、ナナ達のバンドが様々な楽曲を披露してくれます。
しかし、元々歌手である中島美嘉にとっては、むしろこちらの方が見せ所といった感じで、曲が始まった瞬間にスイッチが入りしっかりとしたパフォーマンスを見せてくれます。
まぁ歌手なので当たり前のことですけどね・・・。笑
また、終盤では伊藤由奈もライブを披露してくれ、音楽映画としてはこの上ないステージングが見られます。
音楽アーティストではないですが、バンドのメンバーを演じた他の俳優達も、割とちゃんと演奏しているシーンが多く、本作のためにしっかりと練習した様子が伺えます。
『NANA』の惜しいところ
よく分からないキャラクターが多い
原作が基になっているということで、原作ファンの方に配慮したのか、登場人物がかなり多い印象があります。
しかし、そのキャラクターに対しての説明が希薄なので「あれ、この人は一体誰だっけ?」となるシーンが多くあります。
特に、それはハチの親友である早乙女淳子とその彼氏に感じました。
彼らはハチが浮気されている事に対して行動したり、ハチにアドバイスしたりしてくれますが、観ている私にとっては彼らがハチとどれだけ深い関係なのかよく分からないので、ストーリーにスムーズに入り込めませんでした。
他にも登場はするものの、あまり印象に残らないキャラクターも多いと感じたのですが、原作では重要なキャラクターだったのでしょうか?
ブレているストーリーライン
中盤まではハチの恋愛劇や人生設計の話が多かったような印象ですが、途中からはナナのストーリーに切り替わります。
これが原作を忠実に再現した結果なのかは分かりませんが、一本の映画として観た時に、どちらが主役でどのストーリーラインを主にしたのかわからなくなってしまいました。
ラストでハチの生活に関して再びスポットが当たりますが、結局彼女の悩みに答えは見つからず、曖昧にされてしまったような印象を受けました。
2人のストーリーはどちらも良いのですが、それらをもう少しうまく絡めるか、結論づけてまとめて欲しかったなと思います。
『NANA』はこんな人にオススメ
『NANA』は下記のような人にオススメできる映画です!
こんな人にオススメ
- 原作『NANA』が好きな人
- 2人の女性主人公の活躍が見たい人
- 恋愛に悩む人
- 上京に憧れがある人
- バンド音楽が好きな人
- 中島美嘉の歌を聴きたい人
- 伊藤由奈の歌も聴きたい人
- 若きイケメン俳優達を堪能したい人
とりあえず原作が好きな人にオススメです。
原作好きな人にとっては、中島美嘉演じるナナが非常に魅力的に見えるのではないでしょうか?
未見の私にとっては、宮崎あおいの眩しいばかりの笑顔がとても印象的でした。
原作を知らずに話題性で観てみたという方もいるかもしれませんが、原作の知識がなくとも概ね楽しめるかと思います。
ライブシーンなどのパフォーマンスもかなりしっかりしているので、音楽映画としてもオススメです。
『NANA』の口コミ
最近見た映画
今更初めてNANA観たけど面白すぎる。
ホットロードも良かった。#映画#NANA#NANA2#ホットロード#エイプリルフールズ https://t.co/SNdIjfdm75— NARUMI 🍒 (@narumitakiguchi) November 8, 2015
妹と話しててNANAのときの中島美嘉好きすぎるなーーーってなってる 再燃 見よ pic.twitter.com/Ac1m6t9wYh
— ひたち2️⃣ (@htc_fst) February 9, 2019
『NANA』を視聴できるVOD
『NANA』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。
オススメVOD
- Amazonプライム・ビデオ
- U-NEXT
Amazonプライム・ビデオ
Amazonプライム・ビデオは月額400円と非常に安価で、多くの映画やドラマ、アニメなどを視聴することができます。
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※2019年2月時点の情報です。
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『NANA』のまとめ
映画『NANA』についてご紹介しました。
少女漫画として人気があった『NANA』の実写映画を、ようやく観ることができました。
映画公開当時もCMでバンバンやっていたので気にはなっていましたが、どうしても原作を知らなければついていけないのではないかという不安があり、長い間避けていました。
原作を見ていない場合の初見では確かに「???」となるところも多いと思いますが、それでも割と丁寧に作られているので観やすさはあると思います。
本作はきっと中島美嘉を見た瞬間に映画化を決定したのではないでしょうか?
映画を観終わった後に原作の絵を見た時、そう考えたくなるほど彼女だけが飛び抜けて役にハマっているのではないかなと思いました。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。