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映画『遊星からの物体X』のネタバレと評価!疑心暗鬼の連続も見どころ!

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今回はSFホラー映画の金字塔『遊星からの物体X』を取り上げてみます。

1982年の古い映画ですが、視聴者に衝撃と恐怖を届けるホラー映画として、様々な要素が盛りこまれており、今観ても十分ドキドキしながら楽しめる素晴らしい作品です。

それでは、『遊星からの物体X』のネタバレと評価を行っていきます。

なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。




 

あらすじ・作品情報

遊星からの物体X

1982年冬、南極基地の隊員たちが、氷の中に閉じ込められた何かを発見した。

その正体は10万年前に地球に墜落し、氷の下で眠っていた宇宙生物だった。

接触した生物の細胞に同化、擬態を行うその生命体は、次々と隊員たちを襲い、基地の中へと潜入する。

およそ2万7000時間後には地球上の全人類と同化が完了するという試算結果に怯えた生物学者ブレアの手により、通信手段、交通手段を断たれ孤立した基地。

一体誰が本物で、誰が“物体X”かわからないという究極の状況下で、疑心暗鬼に陥る12人の隊員たちは生き残ること が出来るのか―。

そして人類の運命は果たして―。

引用元:公式サイト

『遊星からの物体X』には次作として、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』という映画があります。

次作のネタバレ・評価は下記記事で行っておりますので、ぜひご覧ください。

 

『遊星からの物体X』の予告編

 

『遊星からの物体X』の良かったところ

とにかくグロい物体Xの造形

人間の体をコピーする力を持った物体Xを特撮によって表現しているのですが、これがまたグロテスクかつ生々しいです。

制作当時はCGなんてありませんから、ひたすら職人的な仕事によってクリーチャーが動いております。

いま視聴しても独特のぐちゃぐちゃした感じがあり、小綺麗にまとまりがちなCGをしのぐ気色の悪さ、顔をしかめたくなるような姿形をしています。

 

理屈抜きの生理的嫌悪感を覚える昆虫やクモをモデルとしながら、謎の触手をあわせもつ物体Xは、人間のパーツを備えていたり、人間の姿から変形するのも相まって、何度観てもその気味悪さに慣れません。

筆者は年齢が一桁の時、昼食中に物体Xの変形シーンを目の当たりにし、猛烈な吐き気に襲われたことを記憶しています。(よりによって食事は油っぽいチャーハンでした・・・。笑)

 

とある勇者
食事しながらの視聴には注意を払ったほうがいいね。
グロテスク描写が苦手な人との視聴も避けた方がいいです。
はらちゃん

 

閉鎖空間での絶望的な状況

舞台は南極にあるアメリカの観測基地です。

ただでさえ過酷な環境なのに、物体Xが大暴れする始末。

移動手段や通信手段が破壊され、挙げ句の果てには発電機まで機能を失い、救助がくるまで持ちこたえられない絶望的な状況に・・・。

 

差し迫ったいまの状況では生存は難しいと判断した主人公たちは、冬眠状態で救助の人員がやって来るのを待ち受ける物体Xの目論見を阻むため、成功しても自分たちは助からない悲壮な作戦に出ます。

非常事態における人間ドラマが、主人公のマクレディが放つ命の輝きを何倍にも増幅します。

 

人類全体の存続をおびやかす物体Xの増殖を阻止するため、主人公たちは明日のない闘いに挑みました。

ただ、絶望して過ごすのではなく、ひたすら戦った姿勢は悲しくも気高いです。

 

疑心暗鬼のスタンダード

寄生系ホラーの疑心暗鬼のひな型は『遊星からの物体X』である程度完成した感があります。

どの程度、コピー元の知能を活用できるか具体的な説明はありませんが、人間以上の知能をもって、先回りをして人間たちの行動を封じていきます。

触手を出し始めると本能モードみたいに知性が下がるのでしょうか?

 

一枚上手に立ち回る物体Xのため、観測所の面々はあっという間に疑心暗鬼に。

物語の途中までは即効性のある判別方法もなく、仲間割れで死者が出る事態に。

後手に回った人間たちがどうやって難局を乗り越え、物体Xの蔓延を阻止できるのか視聴者は気になることでしょう。

 

映画史に残る衝撃シーン

『遊星からの物体X』にはショッキングなシーンが多数用意されており、強烈な印象を視聴者の心に植えつけます。

至芸とも言うべき特撮の職人技は、何人ものトラウマ持ちを生み出したと思います。

実際、私もその一人です。

 

動物好きには見るのがつらい犬型変形シーン、やりすぎ感すらある心臓マッサージぱっくんちょ、頭部単独逃亡シーン、熱による血液検査からの座りながらモーフィング、この一つ一つが妙な生々しさをもって視聴者に迫ってきます。

特撮によるねっとりとした衝撃シーンをご賞味あれ!

何度も言いますが、食事中の鑑賞はあまりオススメしません・・・。

 

聴覚もきっちり攻めてくる!

昆虫が一部まじったようなグロテスクなクリーチャーで、視覚的な不快感を演出した上、聴覚的にもこってりと攻めてきます。

不安をかきたてる不協和音をふんだんに使ったBGMに、触手が活発に震えるような効果音、そして物体Xが正体をさらす時の咆哮。

そのどれもが人の心をざわつかせる仕上がりです。

聴覚に向けて不安感、不快感をコンスタントに送ってきます。

上記の音に比べたら、不穏なはずの爆発音の何と心地よいことか!

聴覚的なホラー表現にも長けた作品なのです。

 

ワンちゃん(ある意味)大活躍

冒頭にノルウェイ隊員から追われながらアメリカ基地へとやってきたワンちゃん、ただかわいいだけじゃなく、物語の重要な鍵を握っています。

人類はパートナーとして犬を得たことによって、樹上生活から平地への生活に移行できたなんて言われてますが、このワンちゃんもかなりえげつないものを人類にもたらそうと雪上を駆けてきます。

 

アメリカ基地で保護されたあとは、犬を飼っている家庭のお子様に見せたくない衝撃シーンをお見舞いしてくるんですが、わんこ状態での演技は見事(そしてかわいい)。

飼育係の犬に対する愛情も描かれていて、緊迫したシーンの多い『遊星からの物体X』 の中で、数少ないほんわか系の要素です。

 

とある勇者
犬ぞりなどの実用性のため飼っているようだけど、なんだかんだ言ってかわいがっている気配が伝わってくるね。
視聴者からしても、グロ描写だけでなく、一部ワンちゃんの癒やしの場面があって良いかもね!
はらちゃん

 

気前よくセットを爆破

CGがない時代なので、爆破シーンは実際に行って撮影するしかありません。

終盤、主人公たちが覚悟を決めてからは、爆破の連続。

 

何日もかけて作ったであろうセットを気前よく爆破していきます。

それまでは緊迫した疑心暗鬼のシーンが多かったので、その鬱憤を晴らすかのように施設を爆破していきます。

その様子は生命の終わりを彩る花火のようです。

 

とある勇者
CGじゃない映像も昔ながらで味がある!
現代のCG技術も本物さながらだけど、本物と思いながら観るのも気持ちが変わるね。
はらちゃん

 

再視聴者は目の輝きに注目!

ウィキペディアで知ったのですが、人間と物体Xを別の生き物と表現するため、工夫して撮影したようです。

注目すべきは隊員の吐く息ではなく、隊員の目。

物体Xの瞳には、ハイライト(反射による目の輝き)が入らないよう注意して撮影したとのこと。

この事実を知ってから、さらに視聴したところ、人間か物体Xか判別できず疑念に駆られているシーンでは、きちんと描き分けられてました。

ただし、全てのシーンでこのやり方がとられているわけではなく、物体Xが人の姿を保ちながら暴れるシーンでは、物体Xが光の輝きを目に含んでいるところも見られました。

再視聴の方、またはネタバレどんとこいという方は「目に光が宿っているかどうか」チェックしながら観ると、また別の楽しみが増えますよ!

 

『遊星からの物体X』 のイマイチなところ

衝撃シーンがギャグのようにも見える

笑いと恐怖は紙一重なんて申しますが、今作における数々の衝撃シーンも、そのやりすぎ感のためギャグのようにも見えます。

特に心臓マッサージぱっくんちょや、単独離脱エスケープヘッドはやりすぎ感満載。

恐怖のツボではなく、笑いのツボを刺激されてしまった視聴者は、衝撃シーンがあるたび笑ってしまうことでしょう。

 

とある勇者
確かに「それはないない。笑」みたいなシーンもあるね。
やりすぎも捉えようには「フフッ」となってしまうね。笑
はらちゃん

 

主人公マクレディの権限がよくわからん

主人公のマクレディ、ヘリのパイロットのようなんですが、序盤で隊を仕切っている様子は操縦士という役割を超えています。

物体Xと疑われてからは、ダイナマイト片手の実力行使なので、みなが従うのもわかるんですが、重要な役職がある描写もないマクレディが、隊の音頭をとる姿に違和感が・・・。

隊長不在時のナンバー2だとしても、隊長がピンピンしている時からリードしているんですよね。

生まれながらのリーダーであると言いたかったんでしょうか?

 

マクレディとブレアの異様な推理力

彼らの推理力がないと話が始まらないとはいえ、マクレディとブレアの推理力は異常です。

あれくらいの情報で物体Xの特性をつかめるのでしょうか?

ブレアにいたっては謎のシミュレーションを作り、人類全体の危機であることを把握しています。

 

とある勇者
ちょっと都合良すぎやしませんかね・・・。
確かに途中、話がうますぎる部分が出てくるので、もう少しリアリティがあっても良かったのかな?
はらちゃん

 

とにかく男臭い

登場人物はまさかの男性率100%。

男臭いとしか言いようがなりません。

しかも登場人物の大半がヒゲを生やしているので、更に男臭さアップ!

男性ホルモンが画面からしみだしてこないか心配になるレベルです。

当時は男性のみで観測基地を構成するのが常識だったんでしょうか。

 

『遊星からの物体X』はこんな人にオススメ

『遊星からの物体X』は下記のような人にオススメできる映画です!

こんな方にオススメ

  • SFホラーが好きな人
  • サスペンス展開が好きな人
  • ヒゲ男が好きな人
  • グロテスクなクリーチャーが好きな人
  • 閉鎖空間が好きな人
  • パラサイト(寄生)モノが好きな人
  • 閉鎖空間でのドラマを学びたい人
  • 目の輝きに注目しながら再視聴したい人

グロ描写がきつめなので、ホラー映画好きの方の中でも、グロ描写はNGの人は気を付けてください。

 

『遊星からの物体X』の口コミ

どういう意味で声が出たのでしょうか?おそらく絶叫系ですかね?笑
はらちゃん

 

『遊星からの物体X』のデジタル・リマスター版がロードショーされました。それくらい人気の映画だったということですね!
はらちゃん

 

CGがなくとも、メイクアップ等でこれだけの表現をすることができるんですね!
はらちゃん



 

『遊星からの物体X』を視聴できるVOD

『遊星からの物体X』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『遊星からの物体X』のまとめ

映画『遊星からの物体X』についてご紹介しました。

CGが使えない時代の中、こだわりぬいたクリーチャーはグロテスクの一言!

CGにない、ぬめっとした気持ち悪さがあります。

閉鎖空間での疑心暗鬼は後続作品に影響を与え、映画史に残る作品となっています。

強引な展開は見られますが、数々の衝撃シーンは後世に語り継がれることでしょう。

総合評価

4.5点 / 5.0点

最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

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