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ゲームと異なる設定!映画「サイレントヒル」のネタバレと評価!

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今回はビデオゲームが原作の『サイレントヒル』を取り上げていきます。

ビデオゲームの一作目(初代PS)を遊んだことのある筆者としては「よくぞここまであの世界を!」とその再現ぶりに目をみはった映画でもあります。

もちろん、原作のゲームを知らない人でも、独自の雰囲気をもつホラー映画として楽しむことができます。

なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。




 

あらすじ・作品情報

サイレントヒル

「サイレントヒル……」と謎の言葉を発して悪夢にうなされながら失踪してしまった最愛の娘シャロン(ジョデル・フェルランド)を探すため、ウェストバージニア州の街“サイレントヒル”を訪れた母親のローズ(ラダ・ミッチェル)。

彼女は、忌まわしい過去がある呪われたこの街で、想像を絶する恐怖に襲われる……。

引用元:Yahoo!映画

累計530万本以上の売り上げを記録したゲーム「サイレントヒル」を実写化した映画です。

公開は2006年ですが、監督の「クリストフ・ガンズ」は、当時の最新映像技術を駆使し、サイレントヒルの世界を再現しています。

一方、クリストフ・ガンズ監督は、美女と野獣の実写映画も手がけており、幅広いジャンルで活躍していることでも知られています。

 

『サイレントヒル』の予告編

 

『サイレントヒル』の良かったところ

他に類を見ない独特の雰囲気

『サイレントヒル』は息をのむほど幻想的で美しい光景と、精神を蝕むような悪夢のごとき光景が、映像美という形で結実します。

原作のゲーム同様、世界が裏返ると『血と錆の世界』が展開するんですが、当時としては最高水準のCGで描写されております。

それこそ原作ゲームを初代PSの粗いポリゴンで遊んだことのある身としては、感嘆するレベルでの再現です。

 

この『血と錆の世界』と異形・異世界の系譜は、クライブ・バーカー原作の映画『ヘルレイザー』シリーズまでさかのぼり、ビデオゲームのサイレントヒルシリーズのほか、ダークファンタジーのコミック『ベルセルク』にも受け継がれております。

『血と錆の世界』に裏返ると、異形のクリーチャーたちが出て直接的な攻撃を仕掛けてきますが、『血と錆の世界』自体が精神的に滅入ってくるデザインをしています。

『ベルセルク』の「蝕」シーンでは圧倒的な絶望感を読者にプレゼントしましたが、『サイレントヒル』の『血と錆の世界』が醸し出す絶望感もなかなかのもの。

現実が浸食され、全ての常識が覆されるような寄る辺のなさと孤独感は他の映画ではお目にかかれませんよ。

 

見知った光景が蝕まれ、悪夢の世界に迷いこむような流れは特筆ものです。

「こんな異世界への転生はイヤだ!」というランキングがあったら、間違いなく上位に食いこむのが『血と錆の世界』であります。

 

視聴者の精神までやられそうな『血と錆の世界』の出来もさることながら、まるで雪のように灰が降り、霧に覆われているサイレントヒルの町もはかなげな美しさをもっています。

 

とある勇者
ただ汚れているだけの世界ではないんだね。
絶望感漂う中にも、時折見せる美しさも見物です!
はらちゃん

 

原作の不気味なクリーチャーをしっかり再現

原作ゲームに登場する人気クリーチャーたちがしっかり再現されております。

特に人気があるナースと三角頭の再現度はばっちりで、「制作陣どんだけ原作ゲーム好きなの!」と原作への愛をひしひしと感じます。

 

ナースは不気味で得体の知れない存在ながら、男性陣の目を釘付けにするナイスバディをもっており、また三角頭(劇中ではレッドピラミッドと呼称)の金属要素をふまえた質感は素晴らしく、圧倒的な強敵感も備えております。

夜道どころか日中のショッピングモールでも会いたくないですね・・・。

 

その他のクリーチャーも再現度が高く、多少のデザイン変更が行われていても、原作の雰囲気を損なわない出来に仕上がっています。

原作ファンにはクリーチャーが登場するたび「どのシリーズから出てるかな?再現度はどうかな?」とチェックする楽しみが追加されております。

 

とある勇者
原作を知っているが故の楽しみ方もあるんだね!
もちろん原作を知らなくてもクリーチャーの気味悪さが減じるわけでもないので、安心して視聴することができます。
はらちゃん

 

原作から改変あれど胸を打つストーリー

細かな設定が変更されているものの、ストーリーは母の愛を中心とした胸を打つものになっています。

原作ゲームでは娘のシャロンを探してサイレントヒルに迷いこむのは父親なのですが、違和感なく母親に変更されており、また母親に変更したことによって、「露出が多いわけではないが妙になまめかしい女性が、恐怖におののきながらも娘のために奮闘する」展開が生まれました。

父親⇒母親というシフトにより、ホラー要素とは別物のドキドキが男性諸氏にプレゼントされる感じです。

 

娘を必死になって捜す母のなりふりかまわない姿はそれだけで心ゆさぶるものがあり、そしてエンディングは実に切ないです。

 

とある勇者
このようなホラー映画独特のラストは、怖い中にも切なさを痛感するものがあるね。
切ないラストもあるから、ホラー映画は観たくなるんだよね!
はらちゃん

 

『サイレントヒル』のイマイチなところ

改変によって難解になったストーリー

原作ゲーム自体も、一筋縄ではいかない複雑なストーリーをもっていました。

そして、映画の『サイレントヒル』もオリジナルの設定を用意しているので、原作ゲームを知る人ほど「変更点をふまえてストーリーを理解する必要がある」作品になってしまいました。

ストーリーを無理に追わず、独特の世界観を楽しむのが良いと分かってはいるものの、ついつい原作の設定と比べてしまいます。

 

また、時の流れも考慮する必要がある作品ながら、説明的な部分が少ないため、自分で情報を整理する必要があります。

一応映画オリジナルキャラの警部がその役に近いようですが・・・。

 

お酒なんて飲みながら視聴しようものなら、「ストーリーはよく分からないし、『血と錆の世界』で気持ち悪くなるし、エンディングもアレでよくわからないし・・・。」と、モヤモヤ状態で視聴を終える可能性も。

娯楽作品としては親切さに欠ける嫌いがありますね。

 

また、原作では聴覚的な恐怖がラジオのノイズによって表現されていましたが、映画ではそのあたりがカットされ、『血と錆の世界』の浸食に備えた警告としてサイレンが登場しております。

サイレンも独特の不安感、緊張感を呼びおこしてくれるのですが、他のホラービデオゲームに『サイレン』という作品があるので、詳しい人なら「なぜサイレンかぶせたし!」とツッコミたくなることでしょう。

 

きつめの残酷描写と報われない善人

視聴者の精神を良くも悪くも左右する点において、『サイレントヒル』は素晴らしい完成度を誇る作品です。

量産型の殺人鬼ものやゾンビものとは趣が異なります。

CGを駆使しながらも、その残酷描写は生々しく、その方法や規模は悪夢そのものです。

 

主人公のために身を挺して尽力してくれたあるキャラクターが、狂信者たちの犠牲になるのですが、これが非常に胸の悪くなるシーンなのです。

善良そのものといったその人物のがんばりが報われず、支配欲におぼれ独善的に振る舞う人々によって苦しみながら処刑される様子は正視に耐えません。

この報われないシーンがあって、終盤のカタルシスが生まれるのかも知れませんが、後味の悪さはぬぐえません。

 

原作ゲームにおいても『血と錆の世界』による独特の不快感や、後味の悪さ、報われなさは存在しますが、映画版『サイレントヒル』においてもその辺を律儀に受け継いでいます。

 

ただ巻きこまれるタイプの本筋

原作ゲームでは見失った娘を捜しに能動的に動き、核心へ迫っていく主人公ですが、映画だと初手は積極的に動くものの、途中からはひたすら巻きこまれ、状況に振り回されるだけの物語となります。

父親は父親で、妻と娘の失踪に関する調査を始め、その中でいろいろな情報が判明していきます。

しかし、物語を補完するにとどまり、妻と娘の行く末に調査結果が反映され、救われるわけではありません。

何とも言えない歯がゆさが残ります。

暗い結末しか存在しない悪夢のジェットコースターに乗っているような印象です。

 

『サイレントヒル』はこんな人にオススメ

当時としては最高水準のCGによって作られた『血と錆の世界』を含む映像は圧倒的です。

長めの作品ですが、ホラー映画好きなら観ておきたいところ!

特に『サイレントヒル』の異世界・異形表現の源流たる『ヘルレイザー』シリーズが好きな人や、ダークファンタジーコミック『ベルセルク』が好きな人は必見。

 

もちろん原作ゲームが好きな人にもオススメです!

制作陣の本気が感じられる一本なのです。

 

逆にグロ表現が苦手な人、善人が報われない絶望的なシチュエーションが苦手な人には視聴がしんどい作品となっております。

 

こんな方にオススメ

  • 『血と錆の世界』の圧倒的な映像を楽しみたい方
  • 原作ゲームをプレイしたことがある方

 

『サイレントヒル』の口コミ

セクシーな一面、怖い一面、そして切ない一面に高印象を受けておられる視聴者の方ですね!
はらちゃん

 

原作と対比しても、十分楽しめる作品と感じておられる方ですね。
はらちゃん



 

『サイレントヒル』を視聴できるVOD

『サイレントヒル』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『サイレントヒル』のまとめ

映画『サイレントヒル』について、レビューを書いてきました。

『サイレントヒル』はビデオゲームが原作のホラー映画。

原作に登場する舞台やクリーチャーの再現率は素晴らしく、多少の改変はあるもののストーリーも胸を打つ切ないものとなっています。

気が滅入るような展開やグロ描写があるものの、独特の映像美があるので、原作ファンのみならずホラー映画好きは観ておきたい一本です。

原作好きには、個人的に満点となる作品です。

総合評価

4.5点 / 5.0点

 

なお、『サイレントヒル』には後作、『サイレントヒル:リベレーション3D』という映画があります。

こちらもレビューを行っていますので、是非ご覧ください。

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最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

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