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怖い双子に恐怖倍増!?ホラー映画「シャイニング」のネタバレと評価!

更新日:

あまりにも有名かつパロディのネタ元になりすぎて、名作『シャイニング』になんとなく手をつけてないホラー映画好きの方もいるのではないでしょうか?

私もそのうちの一人でした。

しかし、歴史に名を残す作品だけあって、様々な見どころがあります。

話の大筋をわかっていても、独特の映像表現と効果音の使い方で、視聴の都度ドキドキを提供する恐ろしい作品なのです。

なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、あらかじめご了承ください。




 

あらすじ・作品情報

シャイニング

冬の間閉鎖されるホテルに、作家志望のジャック一家が管理人としてやってきた。

そのホテルでは過去に、管理人が家族を惨殺するという事件が起こっていたのだが……。

モダン・ホラーの帝王S・キングの同名原作を離れ、キューブリックが独自に造り上げたホラー。

引用元:Yahoo!映画

映画『シャイニング』は、ホラー映画の中でも傑作と呼び高い映画です!

その人気っぷりから、1997年にはテレビドラマ化されています。

 

とある勇者
公開は1980年なのに、その17年後にテレビドラマ化されたんだね!
それだけ長い間認知され、人気を誇っていたんだね!
はらちゃん

 

『シャイニング』の予告編

 

『シャイニング』の良かったところ

圧倒的な顔面力

名優ジャック・ニコルソンのみにとどまらず、トランス一家の面々が尋常ではない顔面力で迫ってきます。

 

「顔面力ってなに?」と言われそうですが・・・。

 

ホテルの悪意に汚染されて家族を殺そうと妻と息子に斧を持って迫るジャック。

 

怯え逃げまどう奥さんのウェンディ。

 

特殊能力「シャイニング」で惨劇を予見する少年のダニー。

 

全ての顔がど迫力なのです!

 

ここまで執拗に顔面へカメラを向け、その表情を引き出したキューブリック監督の、制作者としての恐ろしさを考えると、一回の視聴で二度恐ろしい作品と言えます。

同じセット、同じキャラ設定で、別の監督が別の俳優を使って『シャイニング』を撮っても、ここまで視聴者の胸に迫る作品は作れないでしょう。

それくらい俳優の力と映画監督の力が絶妙に組み合わさった作品なのです。

 

とある勇者
過剰なまでに邪悪なジャックの笑み、むき出しになるウェンディの歯茎、子供らしからぬうつろな表情のダニー、その全てがこの作品を良い意味で異常なものに押し上げているね!
邪悪な何かにつき動かれたジャックが怖いのはわかるんだけど、奥さんのウェンディや息子のダニーの顔も極限状態になりすぎて正直こっちの方が怖いね。
はらちゃん

 

恐ろしくも美しい映像表現

グロテスクなものもありますが、作中で使われる映像表現は無駄に美しく、それゆえ視聴者に精神攻撃を仕掛けてくるものが多いです。

アメリカのホラー映画は直接的と申しますか、

びっくり系の恐怖 >>>> 精神にじわじわくる恐怖

のものが多いですが、この作品に限っては、

びっくり系の恐怖 <<<< 精神にじわじわくる恐怖

と逆転しています。

 

着飾った双子の女の子、開いたエレベーターから大量の血が迫ってくる光景は繰り返して使用され、一家が取り残されたホテル内での惨劇を暗示します。

舞台となるホテルの落ち着いた内装と相まって、静けさに満ちた絵画の中に、あってはならない異物が混入したような印象を受けます。(この場合、異物は生気ある人間です)

 

とある勇者
カメラワークもじりじり迫るようなものが多いね。
決して直接的、暴力的な手段ではなく、じわじわとジャックを誘惑する邪悪なホテルの意思を表現しているようでだね。
はらちゃん

 

俳優に語らせない演出

状況を説明してくれる人物が全編を通して登場するわけではないので、限られた情報の中、視聴者は物語を追うことになります。

序盤にホテルで起きた惨劇が触れられますが、かなり限定的な情報です。

序盤の話と、所々に差しこまれる映像表現をベースに、視聴者はホテルで起きた事件の内容と、現在起きている事柄の原因を想像します。

途中までは、それが単なるジャックの妄想なのか、ホテルの邪悪に影響された幻覚なのかも判断しなければいけません。

 

これが鋭敏な視聴者の想像力をかきたて「全てを語らぬことによって生まれる怖さ」を提供しています。

オカルトものは、理屈をこねればこねるだけ陳腐になる可能性があるので、限定的・断片的な情報で済ますのはスマートなやり方だと思います。

一から十まで俳優に状況説明させると「物語はわかりやすいが、印象に残らない」作品になってしまうでしょう。

 

とある勇者
何が起こるのか、起こっているのか予想するのも楽しいね!
初めて観る方は、色々想像しながら観てみてね!
はらちゃん

 

ヌードがあるよ!(ただしショッキングシーンのオマケつき)

視聴者サービスなのか、お風呂に住んでいる(?)女幽霊がけっこう長い時間その裸体をさらしてくれます。

とはいえ、ホラー映画なので、お楽しみのあとはお定まりのショッキングシーンが待っております。

天国と地獄的な一幕です。

 

主人公ジャックは舞台となるホテルで誘惑にあうのですが、どれも最初は甘い、親切心からくるような誘いを仕掛けてきます。

キリスト教的な悪魔の狡猾さ、したたかさ、そして人間のもろさを描いていると言えるでしょう。

 

時代的なもの?無音と不協和音

時代的なものなのか、休業中のホテルの静けさなのか、人気のなさを表現しているのか、『シャイニング』にはほとんどBGMが使われていません。

そして、差し迫ったシーンでは不協和音を含んだものが効果的に放たれます。

 

絵画的な美しさをもつホテルの静けさと、不協和音の対比は精神に訴えかけるものがあり、独特な映像の効果もあって視聴者の気が滅入るレベル。

緊迫した状況で使われるそれは、恐ろしく神経に障る音なのです。

 

過剰なまでの顔面演技があるので、ややもするとコミカルに見えなくもないシーンを、緊迫感に満ちたものに仕上げるのはやはり音響の力。

かわいさ100%の子猫動画だって、不協和音こみのBGMを流せば「何か起きそうで起きない緊張感」を演出することができます。

映像だけではなく、音の力も存分に使った作品なのです。

 

ジャックさんのお約束

「絶対に押すなよ」でおなじみのお約束にはまりこむように、「絶対に息子をいじめるものか」と豪語するジャック。

もちろん、後半は「いじめる」どころの話ではなくなり、斧を片手に息子を追いかけます。

 

ホテルの邪悪に取りこまれるジャックの幻覚や言動は、何か意味深なもののように映り、少ない情報で物語を追っている視聴者に混乱を届けてきます。

視聴者が置いてけぼりにならないよう最低限の情報と届けつつも、物語に無関係な事柄もまぜこむやり方です。

 

崩れゆく調和の意味するところ

赤を基調としたホテルの内装、青いドレスの双子は均整がとれていて、静けさや調和を感じさせます。

トランス一家も訪れた当初はこぎれいにしていたのですが、段々と態度や外見も乱れてきます。

 

ジャックの無精ひげや乱れた髪、落ちくぼんだ目に宿る狂気の光は言わずもがな。

奥さんのウェンディも髪はボサボサになり、矯正をするアメリカ人には珍しい、あっちこっちへ向いた歯が目立つようになり、息子のダニーは髪の乱れこそないものの、顔から生気が失われ、子供らしい振る舞いとは無縁になります。

 

ジャックが斧を持ち出してからは、ホテル内の均整美をとらえるようなカットはなくなり、焦点は一家の追いかけっこに。

ジャックが体験する幻覚は、一種の美しさをもって表現されています。

ホテルの邪悪が既にジャックを乗っ取ったあとは「美を以て誘惑する必要がない」と判断され、過去を含めたホテルの美しさを表現するような映像が必要ないのかも知れませんね。

 

とある勇者
それぞれ狂気のシーンがあるものの、その調和が取れた雰囲気が織りなす光景は、さすがの一言だね!
ホラー映画にはこういった描写もあるから、これもまたハマるんだよね!
はらちゃん

 

『シャイニング』のイマイチなところ

登場人物のことが語られなさすぎ

中盤以降の状況説明役がいないうえ、人物像を掘り下げることもしないので、どうも各人の行動原理が把握できず、物語の全体像をつかみたい視聴者ほど、「この人は何がしたいの?どうしてそうなるの?」という疑問が生じることになります。

 

シャイニングという超能力が一つの鍵となっているんですが、この情報がまた断片的かつ映像的で、同じ能力をもつダニーとハロサンのつながりも大して描写されません。

面識があり、同じ能力を持つことで共感した程度のハロサンが、何をもってホテルに駆けつけたのかあまりにも説明不足。

シャイニングを持っていることによる苦労や、ダニーへの愛情を描かないと、ハロサンがただの犬死にキャラになってしまいます。

 

とある勇者
脱出手段のお届け役としていいように使っただけだったね。
もうちょっとその内面やダニーとの交歓を描いた方が、物語の質が上がったかもしれないね・・・。
はらちゃん

 

双子の存在が有名作家の読者にとってのツボ

かなり限定的なお話なんですが、時折あらわれる双子の幽霊が、毎回ノーベル賞発表時に騒がれるある日本人作家の読者にとってツボとなっています。

双子の女の子が登場するたび「村上春樹かな?」と思ってしまうツッコミ心旺盛な人にとって、恐怖や過去の惨劇の象徴たる双子がちょっと面白いものに変わってしまいます。

 

想像力がたくましい人は、「この状況からいかにしてあの双子をガールフレンドにする道のりを村上春樹が書くか」まで考え、映画の鑑賞どころではないかも知れません・・・。笑

キューブリック監督は、そこまで計算に入れて執拗にあの双子のカットを・・・。

撮るわけありませんね。笑

 

不協和音がきつすぎる

効果的に使われている不協和音つきのBGMなのですが、若干それに頼りすぎの感じがあり、疲れなどで神経過敏になっている視聴者にとっては、「また不協和音か!」とイライラの原因になる可能性があります。

神経過敏になっている時にホラー映画を観るのもどうかと思うんですが、不安感や不快感を催す不協和音のオンパレードにも問題はあります。

無音のシーンも多く、画面全体に緊張感が漂うのも、不協和音による精神ダメージアップに一役かっています。

どんな映像も不吉なものに変える不協和音入りのBGMは、後半になると食傷気味なのです。

 

奥さん、マジメに走ってよ!

精神的に追いこまれた状態でカメラの前に立った女優シェリー・デュヴァル演じる奥さんのウェンディ、熱演を超えた怪演を見せてくれますが、演技なのか素なのか、まるでふざけているような走り方です。

両手を左右にぷらんぷらんさせて走る姿は、お花畑ではしゃぐ幼稚園児のよう。

すさまじく緊迫した場面であの走り方をされるので、「本当に必死で逃げてるの?実は余裕なんじゃないの?」と言いたくなります。

精神崩壊寸前といった顔面と、能天気にも見える走り方のギャップがひどく、人によっては笑いのツボに入ってしまうかも知れません。

 

『シャイニング』はこんな人にオススメ

映画『シャイニング』は下記のような方々にオススメしたい映画です!

こんな方におすすめ

  • オカルトものが好きな人
  • 定番となっているネタの源流を確かめたい人
  • ホラー映画におけるBGMの重要性を確認したい人
  • 顔面だけで構成された極限の演技を観たい人
  • ホラー映画の中に「美しさと静けさ」を感じたい人
  • 古典的作品を別の視点でとらえたい人
  • ホラー映画における情報の出し入れを学びたい人
  • とにかく緊迫したシーンが好きな人
  • 閉ざされた空間での物語が好きな人

ホラー映画としてはかなりの完成度となっていますので、好奇心で少し観てみたいな~と思いの方にもオススメです!

 

『シャイニング』の口コミ

配役は確かに完璧ですね!どのキャストも劇中のキャラを演じきっています。ですが、この方が仰ってる通り、説明がかなり少ないです。映画にずっと集中していても、理解できない場面が出てくるかもしれません・・・。
はらちゃん

 

父が本当に怖すぎます。斧を持って追いかけてくるシーンは狂気過ぎます。ただ、映画のパッケージの印象が強すぎて、パロディ感は否めません。笑
はらちゃん

 

双子の廊下シーンと言えばこの映画!笑
はらちゃん



 

『シャイニング』を視聴できるVOD

『シャイニング』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。

オススメVOD

  • Amazonプライム・ビデオ
  • U-NEXT

 

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『シャイニング』のまとめ

映画『シャイニング』のネタバレと評価を書いてきました。

歴史に残る作品だけあって、全編に漂う緊張感は本物。

不協和音を含んだ効果音が視聴者に緊張を強制し、顔だけでここまで演技できるものかとその迫力に圧倒されるでしょう。

ストーリーの進行役がおらず、惨劇の舞台となるホテルの情報は断片的ですが、それが視聴者の不安を増幅させる要素となっている作品です。

再視聴でも、ホラー映画好きなら何かしら発見できる奥深さも備えています。

総合評価

5.0点 / 5.0点

最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

オブザデッドレビュー34発

著書名:オブザデッドレビュー34発
電子書籍サービス:Kindle
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