カプコンの人気サバイバルホラーゲーム『バイオハザード』をベースにしたアクションホラー映画が『バイオハザード』です。
原作ゲーム同様、映画の『バイオハザード』もシリーズ化されています。
今回は記念すべきその一作目を、原作ゲームと比較しながらレビューしていきます。
なお、本記事はネタバレを含んでおりますので、ご注意ください。
あらすじ・作品情報
近未来。
巨大企業アンブレラ・コーポレーションでは“ハイブ”と呼ばれる地下の巨大研究施設で秘密裏にバイオ兵器の研究を進めていた。
しかし、研究中のウィルスが何者かによって施設内に散布されてしまう。
ハイブを管理しているコンピュータは施設外への伝染を防ぐためハイブを完全閉鎖し外部との接触を遮断してしまう。
内部調査のためハイブに送り込まれた特殊部隊は、ハイブの出入り口付近で倒れていたアリスを発見するが、彼女は記憶を失っていた。
アリスを知る一同は彼女を帯同しハイブへ侵入するのだったが、そこには予想を超える光景が広がっていた……。
引用元:Yahoo!映画
本作品はPG12指定となっています。
『バイオハザード』の予告編
『バイオハザード』の良かったところ
迫力満点の原作登場クリーチャー
ゲームシリーズ『バイオハザード』には様々なクリーチャーが登場し、その攻撃やグロテスクな外見でプレイヤーを驚かせ、そして苦しめます。
原作へのリスペクトが詰まった映画『バイオハザード』シリーズもそれらのクリーチャーが大暴れ、アクション性の高い映画にホラー要素という華を添えます。
ゾンビはポピュラーな感染系。
バイオハザードシリーズの鍵でもあるTウイルスによるもので、噛まれると感染します。
ゾンビのバリエーション(?)である這いずりゾンビや、燃えているゾンビも登場します。
本家の初代『バイオハザード』よりもずっと大量のゾンビが現れ、弾薬が限られた中での絶望的な状況を演出します。
その敏捷性でプレイヤーをうろたえさせたゾンビ犬は、お家芸とも言える窓を突き破っての出現。
原作ゲームそのままの「ガシャーン!」と音をさせての侵入に、ファンのテンションは上がることでしょう。
ノロノロ動く人型のゾンビと違い、その動きは俊敏です。
元の犬種が戦闘力の高いドーベルマンという素地もあり、迫力の戦闘シーンを演出します。
そして、ビデオゲーム『バイオハザード2』に厄介な上にグロテスクな敵として現れたリッカーは、今作では巨大化しまさかのボス待遇。
原作以上の進化と変形を見せてくれます。
長い舌、外に露出している脳、鋭い爪、むき出しの筋肉、驚異的な運動能力を誇っていました。
次第に明かされる謎
アクションありきの作品であるものの、一本調子にならないよう謎や伏線を用意しています。
ガスマスク姿の特殊部隊、Tウイルス漏出の原因、記憶喪失に陥る前の役目、警官を自称する男の目的、これらの謎が次第に明らかになっていきます。
本家のビデオゲームでも、ただ生き残るだけでなく洋館を探索し謎を解明していく要素があるので、そのスタイルに従っていると言えます。
本家ほど時間に余裕がないので、洋館→研究所の直通コースですが・・・。
油断できないホラー要素
ガチガチのホラー映画ではないものの、もし当事者だったら悪夢としか言えない要素が満載です。
じわじわと死の恐怖が迫る水責めに、悪夢のようなエレベーターギロチン、扉を開けた瞬間むらがるゾンビに、歴戦の特殊部隊をサイコロ状にしてしまう殺人レーザー、脳を露出させた気味の悪いリッカー・・・。
目覚めたら世界が崩壊しているというオマケつきなのです。
女優ミラ・ジョヴォヴィッチの活躍のみを期待して視聴する層に配慮してか、グロ描写はおさえめ。
ショッキングなシーンはあるものの、しつこくグロ描写を続けることはありません。
原作ゲームを超えた?激しいアクション性
原作のゲームシリーズは『バイオハザード3』まで探索や謎解き中心の操作性なので、アクション性は控えめです。
それに比べると、映画はかなりアクション性の高い仕上がりです。
銃撃はもちろん、格闘シーンも多く、イケメンのような顔とスレンダーボディをあわせもつ主人公アリスが素晴らしい動きを披露してくれます。
バイオハザードらしいタイムリミット
原作ゲームでは最終盤に爆破装置が起動し、時間内に脱出する流れがお約束となっています。
しかし、本作では序盤からタイムリミットが設定され、それに間に合わないと地下に閉じこめられることに。
自爆装置が毎回起動する本家より、こちらの方がリアリティありますね!
小気味よい悪役の扱い
主人公のアリス同様、特殊なガスによって記憶を失っていた偽装結婚の相手スペンスが裏切り者で、このバイオハザードを引き起こした張本人であることが判明します。
それからは金目当てという小悪党ぶりを発揮し、小物ぶりに相応しい最期を迎えます。
『バイオハザード』のイマイチなところ
イケメン隊長が親切すぎる
イケメンかつ親切だなんて現実世界なら引っ張りだこのキャラなのですが、いかんせん映画内ではあまりにも便利すぎて不自然なのです。
一時的に記憶を失っている主人公に対する状況説明要員扱いの模様です。
チュートリアル的な序盤を過ぎたらさっさと退場させられますし、映画制作的にもアンブレラ的にも、二重の意味で捨て駒という実は悲しいキャラ。
いい奴ほど早く逝く悲しい事実がそこにあります。
原作ファン用の小ネタが欲しかった
所々に原作シリーズへの愛が見え隠れする作品で、大きな不満はないのですが、コミカルなものが好きな私としては小ネタが欲しかったです。
原作ファンがニヤリとするタイプの・・・。
扉を真正面から時間をかけて開けたり、トランプのマークのついた鍵を拾ったり、紋章が入ったメダルを拾ったり、石像を押してみたり、回復効果のあるスプレーをかけたりして欲しかったです。
作品に影響が出ない範囲で遊び心を盛りこんで欲しかったというのが本心ですね。
原作ファンのわがままなのですが・・・。笑
男前レインの最期ひっぱる必要あった?
序盤から登場しその男前ぶりを見せつけてくれるレイン隊員、その容貌や所作、発言が多大なるインパクトを与えるキャラクターであります。
主人公よりもずっとキャラクターと顔面が濃いこのレイン隊員、絶望的な状況で戦闘要員として活躍してくるのですが、途中ゾンビに噛まれて感染してしまいます。
そのキャラクターから、さぞや男前な死に方が待っているかと思いきや、最期はラスボス中に発症してちょっと主人公の邪魔をするくらいの扱い。
いままでの活躍やキャラクターを考えると雑すぎる扱いなのです。
映画を成立させるだけに存在する特殊ガス
主人公アリスと偽装結婚相手スペンスは、特殊なガスで一時的な記憶喪失になります。
この記憶喪失が物語の鍵ともなるのですが、記憶喪失は数時間~数日で治るという何ともご都合主義な設定で、「劇中のカウントダウン内ではきっちり記憶喪失のままだが、次回作には影響を及ぼさない」というにくい塩梅。
そして、ガスの効果をちゃんと説明してくれた隊長も、用済みになったら処理するという合理性。
どうも制作陣は主人公アリスの行方にしか興味がないようです。
シリーズ化したい欲気が伝わってきちゃう要素なのです。
『バイオハザード』はこんな人にオススメ
『バイオハザード』は下記のような人にオススメできる映画です!
こんな人にオススメ
- 原作ゲームが好きな方
- 戦う女主人公が好きな方
- ほどよくグロいアクションホラーが好きな方
- スレンダー美女が好きな方
- 男前キャラが好きな方
- 秘密の研究所や謎多き屋敷にひかれる方
『バイオハザード』の口コミ
そういえば、メイク中にバイオハザード観た。
5回くらい観たけど、飽きない。#バイオハザード #映画好きと繋がりたい #映画 #洋画 #洋画好きと繋がりたい— 武藤 翠子【今日は、そう。】みーこ (@m_midori5) 2018年6月29日
バイオハザード見てて思うんだが人間が感染したらトロくて頭悪そうになるけど、なぜゾンビ犬は賢くて俊敏なのよwwww
— タクピー団長 (@nato_5) 2019年2月6日
『バイオハザード』を視聴できるVOD
『バイオハザード』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。
オススメVOD
- Amazonプライム・ビデオ
- U-NEXT
Amazonプライム・ビデオ
Amazonプライム・ビデオは月額400円と非常に安価で、多くの映画やドラマ、アニメなどを視聴することができます。
※2019年2月時点の情報です。
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U-NEXT
U-NEXTの月額料金は少し高いですが、毎月1,200ポイントが付与され、さらに最新作品を他のVODよりいち早く視聴することができます。
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『バイオハザード』シリーズのご紹介
映画『バイオハザード』はシリーズ化されており、全6作からなっています。
シリーズ一覧
- バイオハザード
- バイオハザードII アポカリプス
- バイオハザードIII
- バイオハザードIV アフターライフ
- バイオハザードV リトリビューション
- バイオハザード: ザ・ファイナル
他の作品もレビューしていますので、是非ご覧になってみてくださいね。
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『バイオハザード』のまとめ
原作ゲームシリーズへの愛情が存分に伝わってくるアクションホラー映画が『バイオハザード』です。
登場するクリーチャーの再現度は高く、それに対する主人公アリスのアクションもスタイリッシュ。
多少の設定変更はあるものの、原作ファンも納得できる出来なのではないでしょうか。
都合よすぎるガスの設定はご愛敬ということで。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事の著者の執筆作品
著書名:オブザデッドレビュー34発
電子書籍サービス:Kindle
紹介文:林立するゾンビ映画をひたすらレビュー!『○○オブザデッド』が多すぎて困っているホラー映画好きのあなたに送る一冊です。