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信頼と疑惑の行き来!『10 クローバーフィールド・レーン』のネタバレと評価!

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交通事故から目覚めた女性が、見知らぬ場所で拘束されている状態から始まるホラー映画が『10 クローバーフィールド・レーン』です。

密室状態で錯綜する情報に戸惑うのは主人公だけでなく視聴者も。

「どこまでか真実なのか?」を考えながら視聴するとグイグイ引きこまれる構成です。

それでは、『10 クローバーフィールド・レーン』のレビューを行っていきます。




 

あらすじ・作品情報

10 クローバーフィールド・レーン

ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目覚めると、自分が見ず知らずの2人の男性とシェルター内にいることに気付く。

その日を境に、彼女を助けたと主張するハワード(ジョン・グッドマン)とエメット(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活がスタートする。

ミシェルは、外は危険だという彼らの言葉を信じるべきかどうか悩んでいた。

引用元:Yahoo!映画

 

『10 クローバーフィールド・レーン』の予告編

 

『10 クローバーフィールド・レーン』の良かったところ

豪華すぎない地下シェルターのリアリティ

監禁男(?)ハワードがこしらえた地下シェルターは豪華すぎず、所々に手作り感が見られ、とてもリアル。

SF的な謎施設や謎動力もなく、あくまで技術がある人間がコツコツ作った地味なシェルターなのです。

 

新約聖書の中で終末が黙示録によって語られている関係か、アメリカ人は核戦争や終末に向けて本気で地下シェルターを作っている印象です。

ハワードもその一人で、なまじっか技術や知識があるだけに、空気や動力までしっかり用意されたものを作っています。

 

とある勇者
本人なりの住みやすさや暇つぶしを考えた地下なので、多少殺風景なところはあるけどね!
けれど、住み心地は良さそうで、彼の本気がうかがえるね。
はらちゃん

 

まるでドッジボール!信頼と疑惑をいったりきたり

交通事故から目覚めたミシェルと視聴者に与えられるのは、地下シェルターでの限定的な情報。

その情報源は監禁容疑があるハワードと、地上から聞こえてくる音、そして小さな窓から見えるわずかな外の景色です。

限られた情報から「ハワードは信頼できるのか?本当に攻撃はあったのか?」を、ミシェルと視聴者は判断していきます。

 

地下で進むこの物語の中で、大きな転機が何度かあり、その度にミシェルと視聴者はドッジボールのようにハワードへの信頼と疑惑の間を行ったり来たり。

多少の目まぐるしさはありますが、最後まで一気に観たくなる素晴らしい展開。

推理やサスペンスが好きな人は、より楽しめるホラー映画となっています。

 

攻撃と汚染は事実なの?

メーガンって誰なの?

エメットは信頼できるの?

ミシェルは偶然連れてこられたの?

様々な疑惑が浮かんでは消えていきます。

 

とある勇者
話の流れを追うために、眠気や疲れで頭がぼうっとしていないときに観たほうがいいね。笑
多少頭が働く時に観たい映画ですね。
はらちゃん

 

伏線回収工作レディの危機突破力

地下シェルターに連れて行かれた女性ミシェル、かよわいどころか自分で危機を突破する気が満々な上、機転や工作能力も備わっており「何が真実か分からないがとにかくハワードはやばい」状況から抜け出そうとあれこれ動きます。

その際、コテコテの伏線に見えなかった各要素もしっかり回収しており、とにかく優秀。

閉所恐怖症にとっては地獄のエアダクト侵入、金属を冷却して壊すくだりも活用しています。

ミシェルがデザインを学んでいること、地下にサバイバル系のマニュアルがあることもつながっていて、このあたりの自然な流れは見事です。

 

ハワードの存在感

本作に登場するハワードは、巨体による見た目のインパクトもさることながら、なかなかのキャラがあのビッグボディに詰まっています。

ハワードの特徴

  • 衛星にも関係した海軍あがりの技術者。
  • 傷の手当てができる。
  • 時折スイッチが入ってキレることがある。
  • フラストレーションを感じると指がさわさわ動く。
  • 連想ゲームではロリータコンプレックス寄りの発想を繰り返す。
  • 他の二人が疑惑にとらわれている時にノリノリで踊る。
  • 一般人は一生関わらない溶解液をもっている。
  • それなりに料理ができる。

 

巨体、不気味さ、賢さ、神経過敏さ、キレやすさ、大人の女ではなく少女へとパリへのこだわりをあわせもつハワードは、その存在感を画面いっぱいにさらします。

最終盤は影が薄くなるものの、ミシェル同様、視聴者もハワードの言動に振り回されっぱなしなのです。

 

とある勇者
もし彼が物腰やわらかく、標準体型でもっとイケメンだったら、ミシェルも無理に地下から脱出をはからないかも。
まぁ、ああいう性格でああいう体型だから、地下シェルターで少女との生活を夢見たのかも知れませんが・・・。
はらちゃん

 

脱出で終わらない丁寧さ

主人公ミシェルが地下から脱出して終わりかと思いきや、その後も丁寧に作られています。

予算のないB級ホラーであれば脱出エンドや荒廃した世界をちらっと見せてお茶を濁していたのでしょうが、『10 クローバーフィールド・レーン』は、視聴者が気になっていた「地上はどうなっているのか」をしっかり描いております。

そこでハワードやエメットが言っていたことの真偽が判明するので、ミシェル同様、地下シェルターでの情報が全てだった視聴者もすっきりすることでしょう。

また、ミシェルが過去の自分を乗り越えるシーンもわかりやすいほど印象的に描かれ、人類全体の問題が解決したわけではないものの、前向きな終わり方になっています。

 

ミシェルと谷間が魅力的

熟女っぽい体型ながら、どこかあどけなさが残る顔立ちの主人公ミシェル。

ほぼ全編通して胸の谷間をサービスしてくれます。

体型が体型なので、ハワードが谷間を作った方がすごそうですが、それですと別の意味でホラーになるので、ここはミシェルさんが魅惑の谷間要員として奮闘してくれます。笑

 

ごく序盤であれば、胸の谷間だけでなくムチムチ系の太ももを追加でサービスしてくれます。

スレンダー好きかつムチムチ苦手な方だと、ハワードの存在もありますし視聴の難易度(?)が上がるかも知れませんね!

 

『10 クローバーフィールド・レーン』のイマイチなところ

偶然を呼びこみすぎるナイスガイエメット

ナイスガイであるエメットの存在が都合よすぎです。

ハワードのシェルター作りに携わった彼が、たまたまハワードの娘というメーガンの正体を知っているのは、いくら近所での事件だったと仮定してもどんぴしゃすぎます。

 

ハワードの疑惑を解決し、なおかつ脱出の準備がととのったタイミングで消されるという、まるで話を展開させるために作られた存在のようです。

ひょっとしたらハワードの良心や一般常識を具現化したキャラなのかも。

そう考えると、ハワードが彼を消して「ようやく当初の予定に戻った」みたいな発言もダブルミーニングとなり、しっくりきます。

 

とある勇者
トラブルが起きなかったら、ずっと三人で暮らしていけそうな雰囲気だったのも、ハワードの一部だと考えれば理解しやすいね。
ナイスガイすぎるのも良心の象徴だと考えれば納得なのです。
はらちゃん

 

最初の監禁部屋(?)の無機質さ

おおよそは生活空間としてデザインされているハワード所有の地下シェルター。

ミシェルが目覚めた部監禁部屋(?)だけ異常に無機質で素っ気ないのです。

最初から少女との地下生活を計画していたのなら、おびえさせるような部屋のデザインは逆効果です。

 

監禁に使った部屋の冷たい感じは、視聴者の想像をあれこれ膨らませるため用意されたのだと予想されます。

導入部で「ここはどこ?あいつは誰?言っていることは本当?目的はなに?」と視聴者に思わせるためには、いかにも監禁目的で作ったような部屋が効果的です。

制作者の意図が、地下シェルター全体の雰囲気と対立してしまったようで、ちぐはぐな感じが見られます。

 

ミシェルの人情味不足してない?

冷酷でも性悪でもないものの、主人公ミシェルに人情味が不足しております。

いきなり夫(彼氏?)の元から逃げ出すようなスタートですし、自分の生存本能に従って突き進む印象です。

中盤のなごみシーンはあるものの、「視聴者が感情移入しやすいあたたかみのある性格」をそこまで演出できておらず、ハワードはもちろん視聴者とも距離感がある印象です。

人間として自立しすぎているのでしょうか?

 

最後の判断で過去の自分を克服するのですが、筆者はあまり感情移入できなかったせいか、「ふーん、よかったね」ぐらいにしか感じませんでした。

もっとミシェルの人物を掘り下げたり、視聴者が感情移入しやすい性格だったら最後のシーンはもっと味わい深いものになっていたのではないでしょうか?

 

『10 クローバーフィールド・レーン』はこんな人にオススメ

『10 クローバーフィールド・レーン』は下記のような人にオススメできる映画です!

こんな人にオススメ

  • 密室ものが好きな方
  • 推理が好きな方
  • アポカリプスものが好きな方
  • 目まぐるしい展開が好きな方
  • 秘密基地に憧れている方
  • ムチムチボディが好きな方
  • 工作が好きな方

 

『10 クローバーフィールド・レーン』の口コミ

確かにSFかサスペンスか微妙なところですね。私は感染者のグロテスクな描写や、エイリアンの気味悪さ、終末を迎えた世界などホラー要素があるので、ホラーのジャンルとしています。
はらちゃん

 

前作の評価も賛否両論ですが、前作も観ておられた方は、ぜひ観てみてくださいね!
はらちゃん

 

あまり好意的ではないキャラが、最後に良いキャラになるパターンですね。
はらちゃん



 

『10 クローバーフィールド・レーン』を視聴できるVOD

Amazonプライム・ビデオ

『10 クローバーフィールド・レーン』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、Amazonプライム・ビデオです。

月額400円と非常に安価で、多くの映画やドラマ、アニメなどを視聴することができます。

※2019年2月時点の情報です。

 

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『10 クローバーフィールド・レーン』のまとめ

映画『10 クローバーフィールド・レーン』についてご紹介しました。

監禁男に関する信頼と疑惑の果てに地下を脱出し、真実を確かめる映画となっています。

SF要素もあります。

視聴者も主人公と一緒に地下の限られた情報の中で様々なことを判断、推理していきます。

一気にラストまで視聴できる、見事な展開のすぐれた娯楽作品です。

総合評価

4.0点 / 5.0点

 

なお、前作『クローバーフィールド/HAKAISHA』のレビューを行っていますので、是非ご覧ください。

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最後までお読み頂きありがとうございました。




 

この記事の著者の執筆作品

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