今回はメル・ギブソン主演の映画『ブラッド・ファーザー』のレビューを行います。
メル・ギブソンといえば、近年では映画監督などのプロデュース側の活躍がめざましい印象がありますが、本作では主演ということで、相変わらずのバルクの筋肉を見せつけてくれます。
しかし、このタイトルといいパッケージといいストーリーといい、観る前から明らかにそれとわかるB級映画ですよね。(笑)
もう白髪まじりのおじいちゃんのようになってきたメル・ギブソンの、痛快アクション映画を楽しみましょう。
あらすじ・作品情報
裏社会から去り、アルコール依存症から抜け出すためのリハビリをしながらひっそりと暮らしているジョン・リンク(メル・ギブソン)。
ある日、数年前から音信不通だった娘のリディアが、彼の暮らしているトレーラーハウスを訪ねてくる。
彼女はギャングとのもめ事を抱え、さらに警察と殺し屋にも追われていた。
ジョンは、裏社会で培ってきたスキルを活用し娘を守ろうと……。
引用元:Yahoo!映画
2016年に公開された映画です。
なお、本作品はPG12指定となっています。
アクション映画を得意とするジャン=フランソワ・リシェ監督がメガホンを取りました。
『ブラッド・ファーザー』の予告編
『ブラッド・ファーザー』の良かったところ
剛腕健在!メル・ギブソン演じる筋肉オヤジの活躍
主人公ジョンを演じるメル・ギブソンの、相変わらずの肉体にビックリします。
もうかなりの年齢なのは間違いないですが、衰え知らずの眼光と筋肉に惚れ惚れします。
映画冒頭からヒゲも立派に生やしていて、まさしく元ヤバいやつって感じが出ています。
ジョンはとにかく口が悪いですね。
もうやたらめったら「クソッタレ」を連呼し、素行の悪さを感じさせてくれます。
そんな悪オヤジであるジョンですが、やっぱり娘のこととなると途端に真剣になります。
ずっと行方不明だった娘が突然現れ、大金をせがまれても二つ返事で了承し、彼女を助けるために奮闘します。
ジョンが身を呈して、最期のその時まで娘のために戦い続ける姿は感動的でした。
メル・ギブソンって単純な肉体俳優ではないですよね。
結構繊細な演技も得意で、彼の表情には常に哀愁というか、ある種のペーソスが含まれているような気がします。


親娘の絆が感動的!
ジョンは娘であるリディアのために命をかけて戦います。
本作のドラマとしては、この親娘関係がメインとなっているので、この2人の関係性は常に見所と言えるでしょう。
長いこと行方不明だったのに、突然ジョンの前に現れ、金をせがむリディア。
それを了承しつつも、彼女のヤバい状況を知りたがるジョン。
娘がなぜ危険な目に遭っているのか知りたがるのは父親として当然の行為ではありますが、そういった詮索をリディアは良しとしません。
なかなか自分のことを語らず、ジョンとも距離を取ろうとすることで度々喧嘩になってしまうリディアですが、身を呈して守り続けてくれる父の姿をみて徐々にその心を開いていきます。
自分が幼い時に、父が捕まってしまったことで不良人生を歩んでしまったリディアですが、愛憎様々な思いはあるものの、ジョンの真剣な懺悔を聞いて2人はお互いを理解し合うことができました。
だからこそ、最後のシーンでジョンが力尽きて死んでしまったのが悲しいですね。
やっと頼れる父親のそばにいられると思った矢先の出来事でしたから、観ていてこちらも残念な気分になりました。


裏切り者だらけのストーリー
本作で面白いなと思った点は、ジョンとリディアにとって頼れる人間がほとんどいないということです。
リディアに関しては、元々の生い立ちからしても、トラブルから逃げてきたという点からしても、味方がいないのは納得できます。
しかし、長年闇の世界で共に働いてきた仲間達や、仮釈放されてから付き合いがあった人達にですら、裏切られてしまうジョンがなかなか可哀想でした。
映画冒頭から1番の仲良しとして描かれていたカービーは、敵に捕まってジョンの情報を流してしまうという情けない存在ですし、ジョンが闇の世界にいた頃オヤジとして慕っていたプリーチャーにですら、アッサリと裏切られてしまいます。
この手の映画だと大抵いいツテが存在し、逃亡生活を助けてくれるのですが、本作ではそういった助けがことごとく敵側になってしまうという面白さがありました。
信頼していた仲間から裏切られ続けることになるジョンですが、そのお陰でどんな状況にあっても娘のことを心配し、助け合う親娘の姿がより強調されたのかなと思います。
マッドマックスのオマージュ的シーンが豊富
本作を観た方は、どこなくメル・ギブソンの出世作『マッドマックス』を彷彿とさせるシーンがあると感じたことでしょう。
だだっ広い荒野を走るシーンや古めかしいバイク、ショットガンなど、ジョンのシルエットや画面の構図がまるで『マッドマックス』のオマージュであるかのシーンが多く見受けられました。
『マッドマックス』では主人公が家族を救えずに終わってしまいますが、本作では主人公が娘を救い、自分が死んでしまうということで、この辺りもなんとなく良い対比になっていたような気がします。
『ブラッド・ファーザー』の惜しいところ
特に思いつきませんでした。
いえ、思いつくことはたくさんあるんです。
まず、すごく低予算映画です。
いちいち荒野のような場所で撮影したり、バイクチェイスシーンも妙に小規模だったり、ラストバトルも相変わらずのロケ地だったりと、どこまでも低予算を極めてます。
あとはストーリーも単純すぎますし、親娘のドラマも見どころではありますが、あまりに使い古されていて新鮮味を全く感じません。
しかし、それに対して不満だとか改善して欲しいとかは思わないんです。
観る前から絶対に古き良きB級映画だと分かる内容ですので・・・。
80年代のアクション映画をいくつか観てきた方にとっては、むしろ嬉しいような気持ちになれるほど懐かしい要素に満ち溢れています。
近年の映画を見慣れている方にとっては新鮮味がなく、低予算でベタベタな内容に辟易するかもしれませんが、こういう映画も需要はありますし、観たいという方もたくさんいると思うので、私にとって不満は特に感じませんでした。
『ブラッド・ファーザー』はこんな人にオススメ
『ブラッド・ファーザー』は下記のような人にオススメできる映画です!
こんな人にオススメ
- メル・ギブソンの主演映画が観たい人
- 筋肉が好きな人
- ガンアクションが好きな人
- 親娘の絆を感じたい人
- 低予算映画が好きな人
- 80年代のB級アクション映画が好きな人
- バイクが好きな人
- マッドマックスが好きな人
本作は良くも悪くも、昔のB級アクション映画という感じでした。
まったくもってシンプルすぎるストーリーに親娘愛、そしてガンアクション。
特に捻ったような要素は何もないと思うのですが、今の時代にこれだけ昔ながらのアクション映画を観られたというだけで感無量です。
特に難しいことを考えず、アクション映画を観たいという方にオススメです。
白髪と髭とシワまみれのメル・ギブソンですが、衰え知らずの筋肉と眼光に痺れること間違いなしですよ。
『ブラッド・ファーザー』を視聴できるVOD
『ブラッド・ファーザー』が見放題対象となっているオススメVOD(ビデオ・オン・デマンド)は、下記の通りです。
オススメVOD
- Amazonプライム・ビデオ
- U-NEXT
Amazonプライム・ビデオ
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『ブラッド・ファーザー』のまとめ
映画『ブラッド・ファーザー』について、ご紹介しました。
久々懐かしい筋肉映画を観ることができて満足しました。
シュワルツェネッガーやスタローンとは違い、メル・ギブソンは割と演技派としても知られているので、単純なドンパチだけではない人間ドラマが垣間見えたのが良かったです。
そういった意味であまり爽快感のある映画という感じではないですが、この少しの悲壮感がメル・ギブソンの魅力なのかなと思います。
観終わったあとスッキリしないけれど、心に残り続ける映画が彼の持ち味なのかもしれませんね。
テンポも良く、尺も長くないので、気軽に観られる映画としてオススメです。
しかし、今更ですが『ブラッド・ファーザー』ってすごいタイトルですね。笑
これ原題もこのままなんですよね。
ここまでヒネリなく、どストレートにタイトルを持ってくる度胸とセンスに脱帽です。
総合評価
最後までお読み頂きありがとうございました。